恋愛リアリティーショー番組「テラスハウス」で有名になり、近年新しい住居として定着しつつある「シェアハウス」。
知らない人と一つ屋根の下で生活をする、いわゆる共同生活の住居スタイルを指します。
Wikipediaから定義を引用すると、
一つの住居に複数人が共同で暮らす賃貸物件を指す和製英語。一般的にはキッチンやリビング、バスルームなどを共同で使用し、プライバシー空間として個室を利用する。大抵のシェアハウスは、以前は寮やマンション、一般の民家等であった建物を転用して運営されている。入居者は基本的にそれぞれのプライベートな居室で生活し、リビング、キッチン、トイレ、風呂、洗濯機などといった設備だけを共用する。
となっております。よくある一軒家タイプのシェアハウスの間取りは、以下のようなイメージです。
ただ、一口に「シェアハウス」と言っても、様々なタイプがあることをご存知でしょうか。
テラスハウスのように、同じ部屋に2段ベットがあるような物件タイプはドミトリーと呼ばれ、1Kタイプのように水回りが揃った個室と豪華な共有スペースがある物件タイプはソーシャルアパートメントorソーシャルシェアハウスと呼ばれています。大規模物件から小型物件まで住んだことのある筆者がシェアハウスの種類からメリット・デメリットについてご案内します。
シェアハウスは前述の通り、一軒家の水周りやリビングなどを複数人でシェアして生活する賃貸物件です。ラフに言うと、昔ながらの下宿を現代版にした感じです。
戸建てタイプ・区分マンション型タイプ・ペントハウスを改装したタイプ、また新築物件やリノベーション物件など多様なバリエーションがあります。
敷金・礼金・保証人などが不要なケースが多く、また家具・家電が設置されているため、初期費用を抑えたい人にオススメ。
シェアハウスの醍醐味である交流を楽しめる物件は多くありますが、プライベート重視の物件もあるので、自分のライフスタイルに合わせて物件を選ぶと良いかと思います。
ソーシャルレジデンス、ソーシャルマンション、ソーシャルベースなどとも呼ばれることがあります。ソーシャルと言う名前がついていることから交流が前提となっています。大型物件が多く共用部が充実していて、小ぶりな木造物件に比べ個室プライバシーの配慮されています。
バランスがよく、ほどよく賃料が抑えられています。
など、あらゆる観点で最低ラインをクリアしており、賃料がワンルーム以下に設定されている物件が該当します。
エンジニア限定、農園付き、わんちゃん・ねこちゃんOK、など趣味・職業・属性など似ている人を集めたシェアハウスになります。他にも、トライアスロン好きやサーファー向けやシングルマザー向けなどがあります。
交流ではなく個人生活重視型です。共用部もあまりなく、交流がほぼない物件です。廊下ですれ違っても挨拶すらしないこともあるようです。
賃料が非常に安いが、1つのお部屋に2段ベッドが3つも4つもあるといったものになります。10人も住んでいるが、シャワーブースが1つしかないなど、設備面の不足もあり、快適さはありませんが、賃料の安さが特徴です。
目的別型に似ておりますが、シニア限定のシェアハウスとなります。有料老人ホームやサポート住宅に住むほどではないが、設備がバリアフリーに対応しているので、安心感があります。これと似たコンセプトとして、多世代共生型の物件もあります。
シェアハウスでありながら、シェアハウスとは言わない形態のシェア住居が存在します。その最もたるのが、ルームシェア。ルームシェアとシェアハウスは何が違うのでしょうか?また、他にもどんなシェア住居があるのかご紹介したいと思います。
住居形態としては、『シェアハウス』と同様の賃貸物件となります。ただしシェアハウスは、専門の運営会社が存在しているので、入居者の募集・ハウス内ルールの策定等は運営会社が主導します。
一方、ルームシェアの場合は、個人でルームメイトを見つける必要があり、更に空室リスクなども各個人で責任を持たなくてはならないのが、シェアハウスと異なるところです。また、家具・家電等も個人で揃える必要があり、最初の負担が大きいです。
シェアハウス | ルームシェア | |
同居人募集 | 管理会社にて実施 | 各自が実施 |
空室リスク | 管理会社にて負担 | 各自が負担 |
初期費用 | 安い | 高い ※家具家電は自分達で用意 |
人数 | 多い ※6~100人くらい | 少ない ※2~6人くらい |
契約 | 各自が契約 | 代表者が契約 |
入居者 | 選べない ※赤の他人 | 選べる ※友人など |
ルール | 管理会社が策定 | 各自で話し合い |
トラブル | 管理会社に相談 | 各自で解決 |
仲の良い友人同士、同じ志・趣味を持った人同士で住みたい人などにはオススメです。
建物内に入居者同士が集うラグジュリーなラウンジが付帯したワンルームマンション(お部屋に水回りなどがすべて付いてる。)。鉄骨または鉄筋コンクリート造のため、一軒家シェアハウスよりも高いプライバシーがあるものの家賃は少し高め。
「自分の時間・空間をしっかりと確保しながら、+αとして様々な人との交流を楽しみたい」 「ワンルームだと少し窮屈、だけど1LDKよりは家賃を抑えたい」
という人などにオススメです。
多様な世代・属性・国籍な方が入居しているので、ラウンジでのコミュニケーションから新しい発見や可能性に出会えるかもしれません。
参考記事)ソーシャルアパートメントに住みたい。にちょっと待って。口コミからシェアハウスとの違いを解説
住居形態としては、『ソーシャルアパートメント』と類似の賃貸物件となります。ただし広めのラウンジがあっても、それが必ずしもラグジュアリーな空間となっているわけではなく、また必ずしも鉄骨・鉄筋コンクリート造というわけではないところが、ソーシャルアパートメントと異なるところです。
洗面などの水回りの付いた完全個室を確保しつつ、広めのラウンジのみを共有するケースや、水周り設備全てを共有するケースなど、共有の範囲が多様に渡っているのが特徴的です。
物件によっては、英会話レッスンが付くなどのソフト面の付加価値が付いているケースもあり、スケールメリットを享受したい人にオススメ。
業界に大きな課題を残した“かぼちゃの馬車”というシェアハウスが以前ありました。タレントのベッキーがかぼちゃの馬車に乗っているテレビCMが放映されていたこともあるので、記憶に残っている人も多々いるかと思います。この物件には様々なトラブルがありましたが、ユーザー側からみたときに、他のシェアハウスにはない特徴がありました。それは、リビングがないこと。普通のシェアハウスは共用部として入居者みなさまが集まれるようなリビング・ラウンジがありますが、それがない。廊下の一角に簡易的なキッチンがあるだけ。これをシェアハウスと呼べるかどうか議論がありましたが、かぼちゃの馬車の運営会社はこれをシェアハウスと呼んでいました。
いざシェアハウスに住むとなると、他人と共同生活をするわけですから、いろいろと不安要素があると思います。タイプが同じでも、入居者の人数で生活様式が大きく異なります。
そこでシェアハウスのメリット・デメリットを規模ごとにまとめてみましたので、自分が向いている規模はどれくらいなのかチェックしてみてください。
まずは規模に関係なく、すべてに共通するメリットをお話します。
シェアハウスのメリットはなんといっても初期費用がかなり抑えられることです。 一般賃貸物件と違い、仲介手数料や敷金・礼金がかからないので、初期費用はかなり抑えられます。また、家具・家電が最初から付いていることも大きいでしょう。
参考記事)シェアハウスの初期費用は安いのか?費用項目をピックアップし実際の金額を算出してみました。
前述の通り、多くの物件には家具・家電がついているため、極論スーツケース1つで入居可能です。
そのため荷物が多少あっても、引っ越し業者を使わなくても、宅配便で簡単に引っ越しができてしまいます。
引越し費用が抑えられる他、3か月などの短期での契約をしても、退去時に家電処理をしなくてよく、非常に便利です。最近、引越し業者の見積金額が上昇傾向にあるので、引越し代を節約できるのもポイントでしょう。
参考記事)キャリーケース1つで引越し可能?
一部の物件には管理人が在住していたり、防犯カメラ・ホームセキュリティがついていたりセキュリティ面がしっかりしていることが多いです。
それに一人暮らしとは違い、誰かが常に家にいるわけですから、人の目でのセキュリティもあります。
一人暮らしでセキュリティを重視してしまうと、高額な家賃になりがちですが、シェアハウスではその心配はありません。
参考記事)シェアハウスの防犯事情。SECOMやALSOCなどのホームセキュリティがあると安心♪
性別・年代・国籍を超えて様々な人が一つ屋根の下で生活をしています。
学校や会社では知り合えないような人との出会いがあるため、自分が知らなかった世界を知ることができます。
また、入居者の出身都道府県や国が様々なので、その土地の料理・言語・価値観・習慣を教わることができ、自分の視野が広がったり、スキルが向上したりします。
風邪をひいたとき、大きな地震があったとき、重い荷物を運ぶときなど、何か困りごとがあった際シェアメイトに助けを求めることができるのも魅力の1つです。
1人暮らしで何かトラブルがあっても、基本的に1人で解決していかなくてはいけません。
初めて一人暮らしをする際、多くの人は寂しさやストレスで鬱になりやすいそうです。しかしシェアハウスではそういった心配はないので、初めて上京する学生や社会人にはとてもオススメです。
次に大規模物件ならではのメリット・デメリットをご紹介します。
大規模物件では30~100人程度のシェアメイトと住みます(中には300人以上!の物件もあります)。人数が多い分、それだけ友人が増えます。また大規模物件では友人を自由に呼べることが多いため、シェアメイト以外の人との出会いもあります。Facebookの友人の数が劇的に増えそうですね。
入居人数が多いこともあり、運営スタッフの方が入居者同士のコミュニケーションの場を作るために、イベントや誕生日パーティーなどを開催してくれます。ある運営会社では、物件対抗のフットサル大会を開催したり、10物件合同のスキー・スノボーツアーを企画してくれたりするところもあります。
参考記事)ハロウィン、BBQ、お花見などのイベントはシェアハウスの醍醐味?参加は必須?
広々としたラウンジが特徴的で、内装がカフェ風だったり、ホテルのラウンジのようになっていたり、様々なコンセプトで作られています。
その特徴的なラウンジには、高額な美顔器やプロジェクター、また海外から取り寄せた人をダメにする快適ソファなど一人暮らしでは買えない家具・家電が揃っています。更に、料理する人には嬉しいヘルシオや業務用キッチンが完備していることもあります。
ボルダリングやフィットネスジム、ビリヤード、さらに音楽スタジオなど、+αな共有スペースがあることも多く、一人暮らしとは違う豊かな生活を送ることができます。
ほとんどの大規模物件は男女共用です。
となると恋愛はつきもの。なかには結婚した入居者もいます。シェアハウスで出会い、結婚し、シェアメイトに祝福されながら見送られる。とても幸せですね。
もしかしたらあなたもシェアハウスで運命の人と出会えるかもしれません。
多くの物件では、「どこかのレストランなのか!」と思うくらい広いキッチンが備え付けられているため、料理好きが集まることが多いです。
大抵誰かが料理を作っているため、食事をシェアしたり、料理を教わったりすることができ、食事には困りません。
料理が苦手な人も、退去する頃にはシェフ並みに上達してるかも!?
個室と共有スペースがはっきり分かれているため、自分の時間と誰かとシェアする時間を区別しやすいです。
また、ラウンジを通らなくても個室に行けるように設計されていることが多く、無理に人と会う必要がありません。
一人の時間を確保しやすい環境なので、ストレスフリーで生活しやすいです。
次にデメリットについて。
物件にもよりますが、週3〜5回専門業者による清掃が行われます。
定期的に清掃があるので一見清潔に保ちやすいと思われますが、「誰かが掃除してくれる」という雰囲気があるため、汚しても清掃が入るまで放置されることがしばしばあります。また人数が多いため、汚している人を特定するのが難しいです。
参考記事)シェアハウスの掃除事情。入居者による当番制もある?
様々な人が住んでいるため、生活習慣はばらばらです。そのため早めに就寝する方もいれば、深夜に帰宅する方もいます。
生活リズムが違うため、入居者の生活音などが気になることも。また、イベント時も参加すれば問題ないですが、参加しない時は少し騒音が気になるかもしれません。
多くの人がいるということは、好きな人もいれば苦手な人もでてくるでしょう。 一緒に生活しているため、苦手な人を100%避けることは難しく、共有スペースなどで時々会ってしまいます。
大規模物件では、1階が共有スペース、2階以降が個人スペースになっていることが多いです。 そのため上階に住んでいる人ほど共有スペースまで遠く、また基本的には階段での移動になるため共有スペースに行くことが億劫になるかもしれません。
最後に小規模物件のメリット・デメリットをご紹介します。
同じ時間にリビングに大人数が集まることはあまりなく、部屋での滞在時間が長いことが多いです。 そのため騒音トラブルなどは少なく、比較的落ち着いて生活できます。平日は誰にも会わず、週末に久々にリビングで会うということもあります。
小規模物件では女性専用であることが多いです。男性にすっぴんは見せられない!など異性との共同生活に抵抗がある方にオススメです。またかなり少数ではありますが、男性専用物件もあります。
当たり前のことですが、一人一人が「使ったらキレイにする」ことを意識して生活しています。
お互いが顔見知りということもあり、共有スペースを誰が使っていたかをある程度把握でき、清掃してない人が分かってしまうため、大規模物件よりもキレイにする意識は強くなります。
シェアハウスには家賃とは別に、共益費というものが毎月かかります。これには水道光熱費やネット代や消耗品費、管理費などが含まれます。大規模物件は小規模物件に比べると管理費が若干高くなるため、費用を抑えたい方は小規模がオススメです。大規模物件は、ハウスクリーニングが週3~5回と多めですが、小型物件は、週1回などと少なめになっており、サービスレベルの違いも当然、存在します。なお、コロナ禍以降は、電気代高騰による共益費の値上げが目立ちます。
<平均共益費>
小規模物件 | 12,000~15,000円 |
大規模物件 | 15,000~20,000円 |
参考記事)シェアハウスの共益費は一般賃貸の管理費とは別物?ハウスクリーニングやネット代まで含まれている?
次からはデメリットについて。
入居者との距離が近いというのはメリットにもなりますが、苦手な人がいる場合はデメリットになることも。 大規模だと苦手な人とある程度距離を保つことができますが、小規模だとそれが難しくストレスに感じるかもしれません。
大規模物件のように運営会社スタッフが入居者同士の交流を促すようなことはあまりしないため、自主的に交流しなくてはいけません。 イベントを提案してくれる人がいれば問題ありませんが、お仕事が忙しいとなかなか時間が割けないため、パーティーは少ないかもしれません。
お風呂・トイレは各階に1つずつ設置されていることが多いです。5〜6人程度で1箇所をシェアするため、使用時間がかぶることもしばしば。
参考記事)シェアハウスのお風呂事情。物件によっては大浴場があるケースも。
大規模にも小規模にもそれぞれメリット・デメリットがあります。自分のライフスタイルに合った規模のシェアハウスを選べると良いですね!
そのそもシェアハウスの成り立ちはどのようなものかご存知でしょうか?
この段落ではシェアハウスの遍歴と特徴をご紹介しましょう。
まず、日本で一番初めに誕生したシェアの形が、ゲストハウスです。もともと海外のバックパッカーたちの間で、短期的な宿泊場所として流行っていました。日本に入ってきてからも、そのコストの低さから旅行途中の外国人や労働者に多く利用されてきました。
ゲストハウスの特徴は、滞在期間が短いこと。短くて数日、長くても数ヶ月単位です。そして、ドミトリー形式が多いことも特徴のひとつです。ドミトリーとは、一つの部屋を数名でシェアすること。ひとつの部屋に二段ベッドが並んでいる部屋をイメージしてもらうといいかと思います。当然料金は安いですが、プライバシーは保証できません。
このようなゲストハウスが次第に、日本人の間でも広がり始めたのに伴い、安いだけではなく「設備」や「プライバシー」や「コンセプト」を重視した共同住居が出始めました。これが現代のシェアハウスです。最近のトレンドでは、内装もオシャレでスタイリッシュなハウスが主流となり、普通の単身者向け賃貸住宅では味わえない、ドラマや雑誌のような贅沢な空間で生活することができます。
もともとは、海外のバックパッカーたちの宿だったゲストハウス。それが進化して日本にシェアハウスとして定着したのは、ここ数年のこと。成り立ちの経緯から、シェアハウスに、日本人と外人と一緒に暮らしているような、グローバルなイメージを持たれる方も多いかもしれません。でも、国際交流を含むところがある一方で、女子寮のように規則のしっかりある女性専用ハウスなどもあるのが、シェアハウスの面白さ。ライフスタイルの数だけ、その多様性は広がっています。
最後に、ワンルーム賃貸での暮らしとの違いについてご紹介させて頂きます。
ワンルーム賃貸との違いとして、大きく5点あります。前述のメリットと被ってしまう部分もありますが、その点、ご了承くださいませ。
FOREVER21、H&M、ZARA、女性であれば誰もが知っているこれらのブランドは、ファストファッションと呼ばれています。流行のデザインのワンピースが約1000円で購入できるなど、とてもリーズナブルな点が若者層に支持され高い人気を誇っています。 今の20台30台前半の人たちはバブルを経験していません。物心ついた時から『デフレ』を身近に感じながら育ってきた世代であり、今だけでなくこれからも、給与が劇的に上がると考えている人は少ないでしょう。となると当然、リーズナブルな商品に対して非常に敏感です。そしてこれは、住居も例外ではありません。
賃料は、一番負担の大きい固定コスト。他の消費以上に、値段が気になる出費でしょう。しかし、いくらコストを下げたいとはいえ、古く汚い物件は避けたいもの。そこで、今後ファストファッションのように、オシャレでリーズナブルな住居が求められると予想されます。
現状を見ても、神泉にある一軒家タイプの物件は個室で7.7~万円、恵比寿にある新築物件には個室で7~万円と、人気エリアであっても普通のOLの給料で無理なく払える金額の物件がシェアハウスにはあります。中でも賃料がお手頃で、オシャレでエリアも良い物件は、常に満室状態です。今後、こういったニーズが更に増えていくのは時代背景を考えれば必然だといえるでしょう。
また、前述の通り初期費用における優位性も見逃せません。この事実がもっと社会に認知されたら、引っ越しに数十万円も払うのは、割に合わないと考える人が増えてくるでしょう。
私たちの人生を豊かにしてくれるものは何でしょうか?経済的ベネフィット?あるいは充実した趣味の時間?一概には言えないかもしれませんが、ダイヤモンド社が実施した「生活を楽しむために必要なもの」調査によれば、1位は、『人とのつながり』という結果になっています。年代別にみると、50代と60代は『お金、経済力』を1位に選んだ人が多い一方で、10代から40代は、『家族や友人、他者との関係』と回答しています。若ければ若いほど、つながりを重視する傾向にあるようです。
参照:http://diamond.jp/articles/-/11490
このデータは、我々の価値観が時代とともに変化していることを示しています。FACEBOOKやTWITTERなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を好み、高頻度で使用している人が増えていることも、人とのつながりを重視する価値観の拡大を表していると言えるでしょう。
こういったSNSツールがネット上のつながりを促進する一方で、シェアハウスはリアルな場で人と人を繋げていきます。シェアハウスは、リアル版FACEBOOKといったところでしょうか。一役買っているのが、リビングやラウンジなどの共有スペースです。プライベートな空間を保つ自分だけの部屋がファーストプレイス、社会的責任を果たす職場がセカンドプレイスだとすれば、利害関係なしに他人と気軽な交流を生み出すパブリックな場所がサードプレイス。リビング空間がこの役割を果たしています。
サードプレイスでは、緩やかなコミュニケーションから、コミュニティが自然発生的に生まれます。緩やかなコミュニケーションとは、朝の「いってきます」「いってらっしゃい」を始めとした挨拶程度のものから、「これから夕飯作るために買い物にいくけど、一緒に行かない?」といった共通の行動を伴うものまで、さまざまです。
毎晩お酒を片手に深夜まで語り明かすようになったり、休みの日に一緒に旅行に行くようになったり、まるで大学のサークルのような関係性にまで発展することもあります。例えるなら、大人の青春時代のような感じでしょうか。サードプレイスでは、人間関係に関するしきたりはないので、自分次第で相手とのちょうど良い距離感を保つことが出来るのも魅力と言えるでしょう。
突然ですが、今までの人生で関わりを持ってきた人たちを思い出してみてください。高校のクラスメイト、大学のサークルのメンバー、就職した会社の同期…。なんだか、自分と同じ属性の人と多くの時間を過ごしてきたような気がしませんか?当然と言えばそれまでなのですが、多くの人が自分と同じ属性の人が集まる組織に所属し、その組織のメンバーとの交流を中心に行ってきたと思います。
特に社会人になると、異なる属性の人と交流を持つ機会が少なくなります。異業種交流会に参加し、頻繁に連絡を取り合い、日程調整の上で会うという一連の行為を繰り返さなければなりません。これは大きな心理的負担がかかりますし、バイタリティーがないと続けていくのは難しいでしょう。もっと気軽に出来ればと考えているのは、きっと私だけではないと思います。
シェアハウスには、その気軽さがあります。ルームシェアとは異なり運営会社が入居者を選択しているので、一緒に暮らすシェアメイトを入居者は選ぶことが出来ません。よって必然的に、多方面の人が集まってくるのです。
例えば、ある物件の入居者は、独立に向けて仕事を退職したばかりの起業志望家、将来グラノーラ関連で起業することを考えて日々商品開発に励む方、結婚式や企業のイベントなどの花を飾るフラワーデザイナー、ノルウェーからやってきた留学生、卒業目の前である4年生のタイミングで大学を中退したニートなど、今まで関わることがなかったような方ばかりが集まっているようです。
フラワーデザイナーの方などは、お仕事で不要になったお花をハウスに持ち帰って来て、リビングやキッチンに飾って、華やかな雰囲気を演出してくれます。今まで、花の効用などについて考えたことも実感したこともありませんでしたが、彼女のおかげでデスク周りの雰囲気がガラッと変わり、花の魅力に自然と気づくようになりました。
シェアハウスに住むということは、日常的に自分とは違う価値観や考え方に触れるということ。それは刺激的で、たくさんの発見と隣り合わせの生活だと言えるでしょう。
地方から上京して、最初に驚いたのは賃料の高さだった!とはよく聞く話しです。それだけ東京の賃料は他の都市よりも高いのですが、デザイナーズマンションやリノベーションマンションとなると賃料はさらに上がります。「ドラマに出てくるような部屋に住んでみたい」という憧れはあるものの、一人暮らしでは現実的ではないと思っている方は多いのではないでしょうか。
最近のシェアハウスの内装はとても洗練されていて、且つ通常のワンルームマンションと同等かそれ以下の賃料で住むことが出来る物件も多いのです。恵比寿という超都心にありながら、広いGARDEN付きのシェアハウスが7万円台から。大手町駅まで10分以内でいける門前仲町のシェアハウスは、2フロア吹き抜けリビングのある元ペントハウス型で6万円台から。シェアハウスは、憧れを願望で終わらせず、日常的に入手可能なものにしてくれる住居でもあるのです。
また、メリットでも説明しましたが、セキュリティに配慮されている点も、女性から支持されている大きな理由の一つです。特に女性専用シェアハウスは、アルソックやセコムのようなホームセキュリティの加入、防犯カメラの設置、玄関はオートロック式、部屋の鍵もテンキー製…と、しっかり対策しているところが数多くあります。一時期、ストーカーが殺人にまで発展した事件がマスコミを騒がせたことがありましたが、そういった事件発生の可能性を減らすため、積極的に取り組まれています。また、有事の際には顔のわかるシェアメイトに助けを求めることが出来るという心理的な安心感も、大きな魅力でしょう。
住居は、何のためにあるのでしょうか?この答えは、それぞれのライフスタイルによって、バラバラなのかもしれません。ある人にとっては、自宅は寝るための場所でしかないでしょう。ファミリーであれば、家族と穏やかなコミュニケーションが取れる居心地のいい場所かもしれません。当然、住居に求めるものは人それぞれ異なるでしょうが、シェアハウスは先ほど述べたサードプレイスとはちょっと違った意味で新しい場にもなってきています。
最近の物件の中にはカフェ併設で、居住者は割引価格で朝食の提供を受けられるというサービス付きのところもあり、ホテルやサービスアパートメントの要素を取り入れた物件が登場してきているのです。忙しいビジネスマン・ウーマンにとって、朝食付きというのは、大変嬉しいサービス。シェアハウスでは、通常の賃貸マンションでは難しいプラスαのある暮らしを体感することも出来るのです。
また、趣味のプラットフォームという機能を果たすケースもあります。千葉県市川市にある物件はハウス内に防音室を兼ね備えており、自由に音楽活動を楽しむことが出来るようになっています。楽器を演奏できる人たちが数人集まってユニットを組み、共通の趣味で繋がり、広がっていく暮らしを体感しているのです。バイオリン、ピアノ、そしてギターなど楽器は異なるにしても、演奏という共同作業を通じて、一人では得られない充実した趣味の時間を楽しんでいるようです。
テレビなどのメディアに取りあげられ、盛り上がりを見せていますが、これは単に一過性のものではないと言えるでしょう。コストや人とのつながりに対する考え方を例にとってみても、シェアハウスは若い世代の価値観やニーズを満たす受け皿となっています。今後、さらに多くの人に受け入れられ、成熟した日本社会に必要な「仕組み」として根付いていくことでしょう。
WHAT's SHARE HOUSE
シェアハウスってどんな暮らし? トラブルとかないの?
初期費用が安いって聞いたけど本当?
シェアハウスにはどんな人が住んでいるの?
頻繁にイベントやっているの?
テラスハウスみたいな恋愛は普通に?
男女が同じおうちで生活したら何か起こるはず?
RECOMMEND