ホテルにも、シティーホテル、ビジネスホテル、カプセルホテルのように様々な種類があるように、シェアハウスも建物のタイプや設備、規模、女性専用・男女共用、個室・ドミトリータイプなど様々な種類があります。それによって、運営管理の方法や入居者の層も全く異なってきます。まずは物件タイプ別に分類してみましょう。
〇戸建型シェアハウス
〇区分マンション型シェアハウス
〇寮やマンション一棟を改装したシェアハウス
① まずは一軒家をシェアハウスにしているケースです。昭和の香りが漂う木造の広々としたハウスもあれば、新築でピカピカのハウスもあります。築古だったとしても、大規模なリノベーションをしているハウスであれば、新築と遜色がありません。戸建ての場合、一般賃貸では高額すぎて貸し手が見つかりづらい豪邸は、部屋数を10部屋以上確保することも可能で、シェアハウスとして最適です。
② 区分マンションをシェアハウスにしたケースは、4LDKや5LDKなどもともと広めのファミリータイプマンションを間取り変更なしでシェアハウスとして使用している場合と、一度スケルトンにして細かく部屋を割ってシェアハウスとして改装している場合があります。また区分マンションではありませんが、商業ビルの最上階にある元オーナー住居なども豪邸と同様に、シェアハウスとして最適です。
③ 寮を改装したタイプのシェアハウスは、寄宿舎のイメージです。もともと広い共用部やレストランのような大型キッチンが最初から備え付けられているのが特徴的です。ビリヤード台、スパ、フィットネスルーム、シアタールームなどを追加して、戸建てなどでは実現不可能な付加価値を付けているハウスもあります。
次に規模で分類してみましょう。一番小さいハウスで2部屋、規模が大きいと100部屋以上のものまであります。共用部として、リビングやラウンジがあるのが一般的ですが、収益性を重視したハウスや恵比寿や表参道などの超都心部にあるハウスでは、共用部が著しく狭い場合があります。
○都心型/郊外型
○リゾート
①都心型
シェアハウスの立地は首都圏に集中しています。渋谷、表参道、代官山など、まさに都会の一等地エリアであれば、リーシング期間も短く終わらせる可能性が高いですが、その分土地や建物の入手がかなり難しいエリアでもあります。その他、三軒茶屋、自由が丘、下北沢など、「住んでみたい街ランキング」の上位にあがる「憧れの街」が代表的な都心の立地です。
ついで新宿、池袋など大きなターミナル駅からほど近い立地、山手線沿線、中央線沿線などアクセス性に優れた立地があげられます。
どの地域であっても駅から近いハウスに人気がありますが、少し駅から距離がある物件でも駐輪場を備えたり、共有で使用できる自転車を備えるなど工夫を凝らすことで、満室経営に成功している物件もあります。
②郊外型
郊外型の場合は、社員寮やホテルなどを改装した大規模ハウスや、小型でもオンリーワンの個性のある物件が多く見られます。大規模ハウスでは、地域とのコミュニティを重視したり、都心部では得ることが難しい家庭菜園、防音室、開放感の溢れるウッドデッキテラス、そして、ビリヤードから卓球台などの遊び心のある設備を完備して、ハード面での差別化を図っているケースが多く見られます。小型ハウスの場合は、オーナーさんの個性が全面に出て、その魅力に引き寄せられて人が集まってくることもあります。
③リゾート型
リゾート型は、湘南や鎌倉など、都心ではないけれど住んでみたいと思えるエリアにあるシェアハウスです。これも一種のブランド立地といえるでしょう。
個人的には都心と郊外の2拠点ライフの実現にシェアハウスを活用するのも良いと思っています。平日は会社に近い都心部に住居を構え、週末は湘南などのリゾートエリアで住居を構えてサーフィンなど趣味のための時間を過ごす。こういったライフスタイルは徐々に雑誌などのメディアでも取り上げられるようになっており、既に実践中の方もいるようです。
ここ数年、特定のオフィスにとらわれず様々な場所で仕事をする新しいワークスタイル「ノマドワーキング」が定着してきていますが、その波は、住まいに対しても押し寄せてきていると思います。
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