【令和版】若者がシェアハウスを選ぶ理由|賃料を節約してNISA・株式投資の元手に
先日、都内の某シェアハウスに住んでいる28歳の男性の方とお話をする機会がありました。20代にして、年収が4桁万円の大台に乗っていて凄いなぁと思ったのですが、更に凄いと思ったのは、私がシェアハウスに住んだ理由を聞いたことに対する彼の回答でした。
シェアハウスに住もうと思った理由は、賃料を節約して、株式投資の元手資金に少しでも多く回したいです。
私が20代の頃は、株式投資など一切やったことがないのですが、28歳の方は勉強熱心で、様々な銘柄の分析をされておりました。こっそり、これから上がりそうなオススメ銘柄なども教えていただき、20代の頃の自分と比べるとただただ驚くだけでした。
10年前にも20代後半の若い方に、シェアハウスに住む理由を聞いたときは、
という方がよくおりました。この10年で何が変わってしまったのか。なぜ、株式投資をする層が、シェアハウスに入ってくるようになったのか。今回は、若者がシェアハウスを選ぶ理由を「節約」「NISA」「株式投資」「東京の賃料上昇」という視点から考えてみたいと思います。
先に結論|賃料を節約してNISA・株式投資の元手にする住まい方
若者がシェアハウスを選ぶ理由は、交流や安さだけではなくなっています。
- 東京のワンルーム賃料が上がる中で、家賃を節約し、その差額をNISAや株式投資に回したい人が増えています。
- 新NISAでは年間最大360万円まで投資枠があるため、収入が高い人ほど「固定費を下げて投資余力を作る」発想になりやすいです。
- シェアハウスは、住むエリアを大きく変えずに家賃を下げやすい選択肢です。
- 渋谷区の例では、ワンルームとシェアハウスの家賃差が月4万円以上になるケースもあり、年間では50万円前後の差になります。
- ただし、投資目的で住むなら、賃料だけでなく共益費・通勤時間・個室環境・生活ルールまで確認することが大切です。
「シェアハウスに住む理由」と聞くと、以前は「家賃を抑えたい」「友達を作りたい」「海外の人と交流したい」といった理由が中心でした。もちろん、今でもそれらは大きな理由です。
しかし令和の今、そこに“浮いた家賃を投資に回したい”という新しい理由が加わってきているように感じます。特に、新NISAの登場によって、20代・30代でも株式投資や投資信託に関心を持つ人が増え、「毎月の固定費を下げること」が単なる節約ではなく、資産形成のための戦略として捉えられるようになってきました。
注意点
この記事は、特定の株式・投資信託・金融商品をおすすめするものではありません。株式投資や投資信託には元本割れリスクがあります。ただし、家賃のような固定費を見直して、無理のない範囲で投資余力を作るという考え方は、資産形成を考えるうえで重要です。
新型NISA導入が若手の投資熱を大きく刺激
テレビCMやYouTube・TikTokなどのSNSでも多く流れているので、ご存じの方も多いかと思いますが、2024年から新NISAが導入され、非課税投資枠の大幅な拡大と制度の恒久化が実施されるようになりました。制度の概要は以下の通りです。
| 成長投資枠 |
つみたて投資枠 |
| 併用可能 |
| 年間上限240万円 |
年間上限120万円 |
| 年間投資枠は合計360万円 |
| 生涯非課税限度額1,800万円 |
| 非課税保有期間 無期限 |
成長投資枠とつみたて投資枠の2つの枠があり、両方を併用すると年間360万円まで投資することが可能になりました。年間360万円というと、かなりの金額になります。この上限までフルに活用することを考えると、収入が多くあったとしても、節約意識が高まるのかもしれません。
独身で1,000万円程度の収入があった場合、社会保障や税金などを差し引くと、手取りでは730万円前後になります。ここから360万円を投資に回すと、手元に残るのは370万円ほど。この中から毎月の生活をしていくと、使えるお金は月31万円程度になります。
20代で1,000万円の収入はかなりレアケースなので、多くの方はこの数字よりもさらに少ないと思います。そうなると、投資・資産運用に熱心な方ほど、毎月発生する賃料の節約は、かなり重要な課題と捉えることができるでしょう。
また、2022年からは高校での金融教育も始まっています。若ければ若いほど、そして将来や年金に対して不安が強ければ強いほど、投資に対する苦手意識は薄くなり、資産形成のために早くから行動する人が増えていくのかもしれません。
東京、特に23区の賃料が高すぎる
シェアハウスではなく、一般のワンルーム賃貸でも安い物件はあると思います。しかし、安い物件は数がどんどん少なくなってきており、住みたいと思ってもなかなか住むことができない状態になってきました。
コロナ禍以降、東京の不動産(土地・建物)価格全般が上昇し、それに伴い賃貸相場も上昇傾向にあります。
LIFULL HOME'Sのデータによると、2024年3月には、東京23区のシングル向け賃貸物件の平均賃料が10万円を超えてしまったようです。1年前の2023年3月の賃料と比べると、8%以上のアップです。余談ですが、ファミリー向け物件は前年比15%以上の賃料アップと、さらに上昇率が大きくなっております。
2022年3月のシングル向け賃貸物件の平均賃料が約9万円だったことを考えると、残念ながらこの傾向はしばらく続くのかもしれません。
> 東京23区シングル向け賃貸相場 <
| 2023年3月 |
2024年3月 |
| 93,744円 |
101,232円 |
上記はワンルームや1Kといった賃貸物件ですが、シェアハウスに関して言えば、ワンルームほどの平均賃料の上昇は見られておりません。逆に、2020~2023年中頃のコロナ禍では、集団生活が敬遠されていたので、シェアハウスの賃料は下落傾向にありました。
もちろん2024年頃からもとの賃料に戻りつつありますが、それでもワンルームとシェアハウスの賃料には大きな差が生じております。
ワンルームとシェアハウスの家賃差を比較
東京で一人暮らしをする場合、毎月の家賃はかなり重い固定費になります。特に渋谷区・世田谷区・中野区のような人気エリアでは、ワンルームの賃料とシェアハウスの賃料に大きな差が出ることがあります。
| エリア |
ワンルームの相場 |
シェアハウスの相場 |
差額 |
| 渋谷区 |
114,000円 |
71,489円 |
42,511円 |
| 世田谷区 |
89,100円 |
63,289円 |
25,811円 |
| 中野区 |
86,500円 |
62,973円 |
23,527円 |
渋谷区では、ワンルーム賃貸の相場とシェアハウスの賃貸相場の差が約42,000円もあります。これを年間で計算すると、約504,000円になります。
この数字を見ると、シェアハウスに引っ越して、かつ今住んでいるエリアを大きく変えることなく賃料を抑え、年間50万円ほど多く株式投資に回すという考え方は、かなり現実的に見えます。
シェアハウスで節約した家賃をNISA・株式投資に回す考え方
家賃差は、毎月では小さく見えるかもしれません。しかし、年間で見るとかなり大きな金額になります。特にNISAや株式投資をしている人にとっては、毎月の固定費を下げることが、そのまま投資原資の増加につながります。
| 毎月の家賃差額 |
年間で浮く金額 |
活用イメージ |
| 20,000円 |
240,000円 |
つみたて投資枠の一部に回しやすい |
| 30,000円 |
360,000円 |
毎月3万円の積立投資原資になる |
| 40,000円 |
480,000円 |
年間でまとまった投資余力を作れる |
| 50,000円 |
600,000円 |
家賃差だけで大きな資産形成原資になる |
たとえば、ワンルームではなくシェアハウスを選ぶことで毎月3万円の家賃差が出た場合、年間では36万円です。これを毎年積み立てると、単なる節約ではなく、将来の資産形成に直結する金額になります。
もちろん、投資にはリスクがあります。節約したお金をすべて投資に回せばよいという話ではありません。生活防衛資金を確保し、無理のない範囲で投資することが大前提です。
ただ、東京で暮らす若者にとって、家賃はもっとも大きな固定費のひとつです。ここを見直すだけで、毎月の家計と投資余力はかなり変わる可能性があります。
節約目的でシェアハウスを選ぶメリット
節約目的でシェアハウスを選ぶメリットは、単に家賃が安いことだけではありません。特に、NISAや株式投資のために投資資金を確保したい人にとっては、固定費全体を下げやすいことが大きな魅力になります。
| メリット |
内容 |
| 家賃を抑えやすい |
ワンルームより賃料が低い物件を見つけやすく、毎月の固定費を下げやすい。 |
| 家具家電付きが多い |
冷蔵庫・洗濯機・電子レンジなどを自分で買わなくて済むケースが多く、初期費用を抑えやすい。 |
| 都心近くに住みやすい |
ワンルームでは高いエリアでも、シェアハウスなら現実的な賃料で住める可能性がある。 |
| 水道光熱費を把握しやすい |
共益費に水道光熱費やネット代が含まれる物件もあり、毎月の支出を管理しやすい。 |
| 投資仲間ができる可能性もある |
投資や副業、キャリアに関心のある入居者と出会える可能性もある。 |
特に、家具家電付きという点は大きいです。普通のワンルームを借りる場合、家賃だけでなく、敷金・礼金・仲介手数料・火災保険・前家賃・引越し費用・家具家電購入費がかかります。
一方、シェアハウスであれば、初期費用を抑えやすく、入居後すぐに生活を始めやすい物件も多くあります。浮いた初期費用を生活防衛資金として残す、もしくは無理のない範囲でNISAや株式投資の元手にするという考え方もできます。
投資目的でシェアハウスを選ぶ時の注意点
ただし、投資資金を増やしたいからといって、賃料だけでシェアハウスを選ぶのはおすすめできません。毎日暮らす場所なので、安さだけで選ぶと、生活の質が落ちてしまう可能性があります。
投資目的でシェアハウスを選ぶ時に確認したいこと
- 家賃だけでなく、共益費込みの総額で比較する
- 通勤時間が伸びすぎないか確認する
- 個室で落ち着いて作業・勉強できるか確認する
- Wi-Fi環境やワークスペースの有無を確認する
- 生活音や共用部の使い方が自分に合いそうか確認する
- 短期的な節約だけでなく、継続して住めるかを考える
- 浮いたお金をすべて投資に回さず、生活防衛資金も確保する
投資をする人ほど、時間の価値も重要です。家賃が安くても、通勤時間が長くなりすぎたり、生活環境が悪くなって仕事や勉強に集中できなくなったりすれば、トータルではマイナスになることもあります。
投資目的でシェアハウスを選ぶなら、「安いから住む」のではなく、「固定費を下げながら、仕事・勉強・資産形成を続けやすい環境を選ぶ」という視点が大切です。
節約志向でも、その節約の目的が10年前と変わってきている
この10年で、社会環境も大きく変化し、それに伴って若い方の意識も大きく変化していると思います。
以前は、シェアハウスに住む理由として「家賃を節約して海外旅行に行きたい」「趣味にお金を使いたい」「友達を作りたい」という声が多かったように思います。もちろん、それも今でも大事な理由です。
しかし最近は、給与収入だけでは将来の備えにならないことを肌感覚で理解している若い人が増えているように感じます。その結果、NISAや株式投資、投資信託などに積極的に取り組み、投資用資金を確保するために固定費を下げたいという考え方が広がっているのではないでしょうか。
今後も、投資や資産運用に関心を持つ若者は増えていくと思います。その投資用資金の確保のために、シェアハウスに住む方が徐々にではあると思いますが、増えていくでしょう。あるときには、投資情報を交換するシェアハウスなども出てくるかもしれません。
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まとめ|シェアハウスは、節約して投資余力を作る住まい戦略になる
若者がシェアハウスを選ぶ理由は、時代とともに変わってきています。以前は、交流や海外旅行、趣味のための節約という理由が多かったように思います。しかし今は、東京の家賃上昇、新NISAの拡大、株式投資への関心の高まりによって、「家賃を節約して投資資金を作る」という考え方が出てきています。
もちろん、シェアハウスに住めば必ず資産形成がうまくいくわけではありません。投資にはリスクがありますし、シェアハウスにも向き・不向きがあります。
それでも、毎月の家賃という大きな固定費を下げることは、家計にかなり大きなインパクトがあります。月2万円、月3万円、月4万円の差額でも、年間で見ると大きな金額になります。そのお金を生活防衛資金にするのか、NISAや株式投資の元手にするのか、資格や学習に使うのか。選択肢が増えることは間違いありません。
令和のシェアハウスは、ただ安く住むための場所ではなく、固定費を抑えて、将来のためのお金を作る住まい方のひとつになっていくのかもしれません。
よくある質問
Q. 若者がシェアハウスを選ぶ理由は何ですか?
A. 家賃を抑えたい、都心に住みたい、交流したいという理由に加えて、最近では家賃を節約してNISAや株式投資に回したいという理由も増えてきています。
Q. シェアハウスは本当に節約になりますか?
A. 物件やエリアによりますが、ワンルームより家賃を抑えられるケースは多いです。家具家電付きの物件も多いため、初期費用を抑えやすい点もメリットです。
Q. 家賃を節約してNISAに回すのは現実的ですか?
A. 現実的です。たとえば家賃を月3万円抑えられれば、年間36万円の投資原資になります。ただし、投資にはリスクがあるため、生活防衛資金を確保したうえで無理のない範囲で行うことが大切です。
Q. ワンルームとシェアハウスではどれくらい家賃が違いますか?
A. エリアによって異なりますが、記事内の例では渋谷区で月4万円以上、世田谷区や中野区でも月2万円以上の差が出ています。年間では数十万円単位の差になることがあります。
Q. 投資目的でシェアハウスを選ぶ時の注意点は?
A. 家賃だけでなく、共益費込みの総額、通勤時間、個室環境、Wi-Fi、共用部の雰囲気、生活ルールを確認しましょう。安さだけで選ぶと、生活の質が下がる可能性があります。
Q. シェアハウスは高収入の人にも向いていますか?
A. 向いている場合があります。高収入でも新NISAや株式投資に積極的な人ほど、固定費を抑えて投資余力を作る意識が高いことがあります。都心に住みながら家賃を抑えたい人には、シェアハウスも選択肢になります。