シングルマザー向けシェアハウスとは?ペアレンティングホーム・母子ハウスの選び方

シングルマザーと子どもが暮らすシェアハウスのイメージ

仕事をしながら、子どもを育てる。

ごはんを作る。

洗濯をする。

保育園や学校の準備をする。

子どもが熱を出したら仕事の予定を変える。

悩んだ時には、相談できる相手もほしい。

シングルマザーの暮らしは、「家を借りられれば終わり」ではありません。

仕事・子育て・家事・住まいを、一人で全部回さなければならない時間が多い。

そんな負担を、住まいのつくり方から少し軽くできないか。

そこから生まれた住まい方のひとつが、シングルマザー向けシェアハウスです。

代表的な取り組みとして知られているのが「ペアレンティングホーム」。

現在は「母子ハウス」「シングルマザーシェアハウス」「子育てシェアハウス」など、さまざまな名前で親子向けの共同住宅が運営されています。

ただし、普通のシェアハウスに子どもと住むのとは少し違います。

子どもが生活する前提の間取り。

同じように子育てをしている入居者。

物件によっては食事、学習、子どもの見守りなどのサポート。

そうした「住む+子育て」まで考えられているのが特徴です。

先に結論

母子ハウスの価値は、
「安い家」より「一人で全部抱え込まない家」。

  1. 親にとって:近くに話せる大人がいて、子育てや生活の情報を共有しやすい。

  2. 子どもにとって:年齢の近い子がいれば、家の中に遊び相手や友達ができることもあります。

  3. ただし:子どもの預かり、食事、学習支援などの内容は物件ごとに大きく違うため、「何をしてくれる家なのか」の確認が重要です。

1.ペアレンティングホームとは?

ペアレンティングホームは、子育てと仕事を両立しやすい住環境をつくることを目的に生まれたシングルマザー向けシェアハウスの取り組みです。

日本では2012年に、シングルマザー専用シェアハウスという住まい方が本格的に始まりました。

考え方はとてもシンプルです。

普通の賃貸住宅では、玄関を閉めれば親子だけ。

シェアハウスなら、個室の外に共用リビングやキッチンがあり、ほかの親子と顔を合わせる機会があります。

そこへ、

  • 子どもが暮らしやすい共用部
  • ほかのシングルマザーとの交流
  • 子育て情報の共有
  • 物件によっては食事や学習などのサポート

を組み合わせたのが、母子ハウス・シングルマザー向けシェアハウスです。

「ペアレンティングホーム」だけで探さないほうが見つけやすい

現在の住まい探しでは、名称を「ペアレンティングホーム」だけに限定すると候補がかなり狭くなります。

母子ハウス/シングルマザーシェアハウス/子連れシェアハウス/ひとり親向け住宅まで広げて探すほうが現実的です。

2.シングルマザー向けシェアハウスのメリット

誰かに少し話せるだけでも違う

一人で子育てをしていると、ものすごく大きなトラブルがなくても、細かい判断の連続です。

子どもが急に熱を出した。

学校からこんな連絡が来た。

夕飯を作る気力がない。

仕事で嫌なことがあった。

明日の持ち物、これで合っているかな。

普通の一人暮らしなら、家に帰っても相談相手はいません。

母子ハウスでは、共用スペースへ行けば、同じように子育てをしている人がいる。

必ず何かを助けてもらう必要はなくても、「ちょっと聞ける人が近くにいる」こと自体が支えになる。

これは家賃表だけでは見えない価値です。

子育て情報を共有しやすい

保育園。

学童。

病院。

学校。

習い事。

行政の支援。

子育てをしていると、とにかく地域情報が必要になります。

同じエリアで暮らす親同士なら、

「この病院は土曜日もやっているよ」

「この公園は小さい子でも遊びやすい」

「この制度は市役所のこの窓口で聞ける」

といった、検索だけでは分かりにくい生活情報も共有しやすくなります。

家具・家電を共有できる

シェアハウスでは、キッチン、冷蔵庫、洗濯機、ダイニングなどを共用する物件が多くあります。

物件によっては個室側にも家具や収納が用意されています。

引っ越しのタイミングで、

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • ダイニングセット
  • 電子レンジ
  • 大型テレビ

まで一から購入しなくていいなら、初期費用を抑えやすくなります。

離婚や別居などで急に住まいを変える必要がある場合には、特に大きなメリットです。

3.子どもにとって、シェアハウス生活はどう?

家の中に遊び相手ができることもある

母子ハウスでは、複数の親子が一緒に暮らします。

年齢の近い子どもがいれば、家の中に遊び相手ができます。

学校から帰ってきて、誰もいない部屋で一人。

ではなく、リビングへ行けば別の子がいる。

そんな環境になることもあります。

兄弟がいない子でも、年上・年下の子どもと自然に接する機会が増えるのは、共同生活ならではです。

「子ども同士なら必ず仲良くなる」とは限らない

一方で、ここは期待しすぎないほうがいいところです。

子どもにも性格があります。

年齢も違います。

生活時間も違います。

静かに本を読みたい子もいれば、走り回って遊びたい子もいます。

そのため、

「ほかの子どもがいる=自動的に兄弟のような関係になる」わけではありません。

内覧では大人同士の相性だけでなく、今住んでいる子どもの年齢や人数も聞いてみるとよいでしょう。

子どものプライバシーも大事

小さいうちは大きな共用リビングが楽しくても、子どもが成長すると、一人になれる場所が欲しくなることがあります。

小学生。

中学生。

高校生。

同じ「子ども」でも必要な住環境は変わります。

長く住む可能性があるなら、

  • 個室の広さ
  • 親子それぞれの寝る場所
  • 勉強机を置けるか
  • 子どもが一人になれる場所があるか
  • 何歳まで入居可能か

も見ておきたいポイントです。

4.チャイルドケアや生活サポートは、どこまで頼れる?

シングルマザー向けシェアハウスの中には、独自の子育て支援を行う物件があります。

たとえば、

  • 子どもの食事サポート
  • 学習・宿題のサポート
  • 子ども向けイベント
  • 共用部の清掃
  • 子育て相談
  • 地域の保育・学童情報の案内

などです。

こうしたサービスがあると、仕事・育児・家事を毎日一人で回す負担を少し減らせます。

ただし、かなり重要なのが、

「シングルマザー向けシェアハウスなら、どこでも子どもを預かってくれる」わけではない

ということ。

サービス内容は家ごとに違います。

「チャイルドケアあり」と書かれていても、

  • 毎日なのか
  • 週1回なのか
  • 何時から何時までか
  • 何歳が対象か
  • 無料か有料か
  • 保育なのか、見守りなのか
  • 急な残業時にも利用できるのか

で実用性はまったく変わります。

住人同士の「助け合い」も、当然の義務ではありません

「今日は私が見ておくよ」と自然に助け合える関係が生まれることはあります。

でも、ほかの入居者も仕事と子育てをしている生活者です。

住人同士で子どもを預け合うことを前提に家を選ぶのではなく、できたらうれしいプラスαくらいに考えるほうが無理がありません。

5.シングルマザー向けシェアハウスのデメリット・注意点

家族だけの完全なプライベート空間ではない

個室は自分たちだけでも、キッチンやリビング、洗面、浴室などは共用の場合があります。

疲れて帰った日でも誰かに会う。

子どもが泣けば、周りへ音が聞こえる。

ほかの家庭の生活音も聞こえる。

こうした距離感を負担に感じる人もいます。

逆に、いつも個室に閉じこもってしまうと、シェアハウスのメリットをあまり感じられないこともあります。

「毎日みんなで生活」か「完全に個別」かではなく、自分にちょうどいい距離感を作れそうか。

そこを見るのが大事です。

子育ての考え方は家庭ごとに違う

何時に寝るか。

ゲームをどのくらいするか。

お菓子を食べていい時間。

叱り方。

スマホ。

食事。

家庭によってルールは違います。

一緒に住むからこそ、価値観の違いが見えやすくなります。

「うちはこうしているから、あなたの家もそうすべき」ではなく、お互いの家庭のルールを尊重できる雰囲気があるかが重要です。

子どもの性別や年齢に制限があることも

女性専用シェアハウスでは、男の子が一定の年齢を超えると入居できない場合があります。

母子ハウスでも、対象となる子どもの年齢を設定していることがあります。

入居時だけでなく、

「子どもが何歳になるまで住めるのか」

も確認してください。

家賃だけで判断しない

家賃が安く見えても、

  • 共益費
  • 水道光熱費
  • インターネット
  • 保証会社
  • 火災保険
  • 清掃費
  • 子育てサービス利用料

などが別に必要な場合があります。

見るべきなのは、家賃ではなく毎月いくら出ていくのかです。

6.母子ハウスを選ぶ前に確認したい10項目

シングルマザー向けシェアハウスは、普通の一人暮らし以上に「建物以外」を確認したほうがいい住まいです。

  1. 子どもの年齢・性別に入居制限はないか
  2. 個室は親子で寝られる広さか
  3. 保育園・学校・学童までの距離
  4. 子どもの預かりや見守りサービスの具体的な内容
  5. サービス料金は家賃に含まれるのか
  6. 住人同士の助け合いはどこまでルール化されているか
  7. 来客・男性の立ち入り・宿泊ルール
  8. 共用部の消灯・静かにする時間
  9. 退去期限や子どもの年齢上限
  10. 家賃・共益費・光熱費を含めた月額総額

内覧には、できれば子どもも一緒に

親が「いい家」と思っても、子どもが居心地よく感じるとは限りません。

可能であれば、子どもと一緒に内覧してみるのがおすすめです。

共用リビングを怖がらないか。

今住んでいる子どもと自然に話せそうか。

自分たちの部屋を気に入るか。

通学路はどうか。

親だけでは気づかなかったポイントが見えてきます。

「支援内容」ではなく、自分が実際に使うかで考える

食事サポートあり。

英会話あり。

イベントあり。

学習サポートあり。

いろいろ並んでいると魅力的に見えます。

でも、勤務時間が合わなければ利用できません。

子どもの年齢が対象外なら意味がありません。

最終的には、

「自分たち親子の1週間の生活に、このサービスをどこで使うのか」

まで具体的に想像して選びましょう。

7.シェアハウスだけで解決しなくていい。使える支援も確認

住まいは大事ですが、住まいだけで仕事・育児・生活のすべてを支える必要はありません。

自治体によっては、ひとり親家庭向けに、

  • 子どもの保育・生活支援
  • 食事の世話
  • 家事支援
  • 相談支援
  • 家計相談
  • 学習支援
  • 住まいや仕事探しの支援

などを実施しています。

離婚前後の時期に、民間賃貸住宅やシェアハウスなどを活用しながら住まい・仕事探しを支援する制度もあります。

そのため、

「全部そろっている完璧なシェアハウス」を探すより、住まい+自治体支援を組み合わせる

という考え方もあります。

一般賃貸が借りにくい時は、住宅支援制度も確認

収入、保証人、勤務状況などの理由で一般の賃貸住宅を借りづらい場合には、住宅セーフティネット制度や居住支援法人などの仕組みもあります。

子育て世帯も、住まいの確保に配慮が必要な世帯として支援対象になる場合があります。

母子ハウスだけに絞らず、

  • 母子ハウス
  • 子連れ可シェアハウス
  • 一般賃貸
  • 住宅セーフティネット
  • 自治体の住宅支援

を並行して探すと、選択肢を増やせます。

SHARE PARADEには現在、「シングルマザー専用」「子ども入居OK」だけを抽出する専用検索条件はありません。

そのため、まず候補を広く探し、そのあと管理会社へ子どもの入居可否を確認する流れになります。

重要:「2人入居OK」=「子どもOK」ではありません

2人入居OKでも、夫婦・カップルのみを想定している物件があります。

女性専用物件でも、男児の年齢によって入居できない場合があります。

問い合わせ時には、子どもの年齢・性別を必ず伝えて確認してください。

水回り付き個室も相性がいい

子どもと一緒に生活する場合、共有シャワーや洗面所まで毎回移動するのが負担になることもあります。

個室に、

  • 洗面台
  • トイレ
  • シャワー
  • ミニキッチン

などがあると、親子の生活を個室内で完結させやすくなります。

家賃を抑えたい場合は、エリアを広げる

東京23区内だけに絞ると、どうしても家賃は高くなります。

通勤できる範囲で、

埼玉。

千葉。

神奈川。

東京23区外。

まで広げると、低い家賃帯のシェアハウスも増えます。

子どもの学校や保育園との兼ね合いはありますが、まだ転居先が決まっていない段階なら、沿線単位で広く見る価値があります。

9.シングルマザー向けシェアハウスのよくある質問

Q. ペアレンティングホームとは何ですか?

A. 子育てと仕事を両立しやすい住環境を目指して作られた、シングルマザー向けシェアハウスの取り組みです。現在は「母子ハウス」「シングルマザーシェアハウス」などの名称も使われています。

Q. シングルマザーなら誰でも入居できますか?

A. 物件ごとに条件が違います。子どもの年齢、性別、就業状況、収入、最低入居期間などの条件が設定されていることがあります。

Q. 離婚が成立する前でも入居できますか?

A. 別居中・離婚調停中でも相談できる母子ハウスがあります。ただし、すべての物件で受け入れているわけではないため、現在の状況を伝えて確認してください。

Q. 子どもを預かってもらえますか?

A. 物件によります。食事、学習、見守りなどを提供する住まいもありますが、常時保育を行うとは限りません。曜日・時間・対象年齢・料金まで確認してください。

Q. ほかの住人に子どもを預けてもいいですか?

A. 住人同士で自然に助け合うことはありますが、当然に預けられるものではありません。住人間の預かりについてルールがある場合もあるため、運営者へ確認しましょう。

Q. 男の子でも女性専用シェアハウスに住めますか?

A. 物件ごとに違います。小さな男児は入居できても、一定年齢を超えると入居不可になるケースがあります。子どもの年齢と性別を伝えて確認してください。

Q. 普通のシェアハウスに子どもと住むことはできますか?

A. 子どもの入居を認めている物件であれば可能です。ただし、「2人入居OK」と表示されていても親子での入居を認めているとは限りません。必ず個別に確認してください。

Q. 母子ハウスの一番のメリットは何ですか?

A. 家賃だけではなく、同じように子育てをする人と近い距離で暮らせることです。相談、情報交換、子ども同士の交流など、普通の賃貸住宅とは違う生活環境があります。

10.この記事を読んだ人向けの物件条件

シングルマザー・子連れでシェアハウスを探す場合、検索条件だけで「入居できる」と判断しないことが大切です。

候補を探す → 子どもの年齢・性別を伝える → 親子入居できるか確認する。

この順番で探してください。

最後に

シングルマザー向けシェアハウスは、「誰かに子育てをやってもらう家」ではありません。

でも、全部を一人で抱えなくてもいい家にはできます。

同じように子育てをしている人と話す。

子どもがリビングで遊ぶ。

疲れた日に「今日も大変だったね」と言える人がいる。

住まいは、家賃と駅距離だけで決めるものではありません。

親子が安心して帰れて、無理なく毎日を続けられるか。

そこまで含めて、自分たちに合う家を探してみてください。

この記事を書いた人

大学では国際学を学んでいます。趣味は旅したり、写真を撮ることです。自由人とよく言われます。今はシェアハウスとゲストハウスに関心があって、シェアパレードでライターとして勤務をしています。ゲストハウスにも短期ですがスタッフをしたりしてます。いつか人が集まる空間を創りたいなと思っていたり...

最近書いたコラム

PICKUP