茂木健一郎さんが当社のシェアハウスで講演後の茂木バーの様子
「シェアハウスっていろいろな種類があるので何がいいのかわからない」…そう思う方もいるのではないでしょうか?
各シェアハウスには運営会社の理念がつまっているので、立地や設備で選ぶのもいいけれど、運営する会社で選ぶことも大事だと思います。
初めてシェアハウスに住もうと思っている、不安でいっぱいな人向けにシェアハウスを運営する会社が何を考えているのかを知ってもらい安心してもらうための運営会社コラムを始めました。
初回は、シェアハウス黎明期からシェアハウス事業を始め、SHARE PARADE内でも不動の人気を誇る物件を数々生み出す麻生次郎氏に、事業の立ち上げの流れや今後の手掛けたいシェアハウスについて取材してきました!
【麻生次郎(あそう・じろう)】
株式会社シェア・デザイン代表取締役社長。大学時代に先輩から聞いたヒッピー生活に憧れ、大学在学中にアメリカで生活。帰国後は、当時バブルで景気の良かった不動産業界に参入。在職中に執行役員までキャリアを上り詰める傍ら、シェアハウス事業を始め事業が軌道に乗ってきた段階で独立。2021年現在、都内近郊に30物件以上のシェアハウスを運営し、1,000名以上の入居者を抱える。
学生時代のアメリカ横断時の写真
工藤「もう20年以上シェアハウス事業を続けているかと思いますが・・・シェアハウス事業を始めることになった背景ってあるのですか?」
麻生「大学時代に、学生相手に下宿紹介事業を行っている会社で働いていた。当時の先輩たちがみんな学生時代アメリカでヒッピー生活をしていて、その話を聞いてあこがれを持ったのが最初。実際に学生の頃にアメリカに行って生活をしてみた。当時10人くらいが同じ場所に住んでいて、家族ほどではないけど友達以上の強い絆を感じたのがきっかけでこういったコミュニティは今後日本でも増えていくんだろうなと思った。あとは、当時の学生の生活状況を見てかな。」
工藤「今じゃ学生って賃貸マンションを借りて暮らしている人が多いと思うんですが当時はどうでしたか?」
麻生「僕が下宿紹介をしていた時は昭和58年(1983年)くらいだったんだけど、8割の学生は月2~3万円の風呂・トイレなしの下宿部屋を借りることが普通。部屋に風呂・トイレがある学生は裕福な家庭だけ。マンションに住むとなれば大金持ちだけだったね。」
工藤「下宿生活・・・!想像つかないですね。」
麻生「下宿にはおばちゃんがいて、『あなた飯食べなさいよ』とか、洗濯物を置いておくと勝手に洗濯されちゃうとか世話を焼いてくれる。そんな中だから彼女がいても連れていきにくいよね。笑
自分はそれが嫌だったから、そういった下宿の進化版は需要あるんだろうと思った。」
アメリカ時代の大学寮の様子
工藤「それでシェアハウス。」
麻生「ただ、着想はあったんだけど集客がきっと困るだろうと思ったから最初は不動産の会社でサラリーマンをやっていた。当時はバブルの時代で銀行と不動産会社で立ちあげた会社で不動産開発案件に融資をしていた。だけど、バブルはじけた。債権回収をしていたけど、すごく負のオーラを感じていたので会社を変えて、また賃貸業の会社に戻ったんだ。そこで所長や執行役員を経験しながら、その傍ら立ち上げた会社が今の会社の前身。」
工藤「すごい。。。まさに今の時代で主流になりつつある働き方を20年以上前からやられていたんですね。そこからシェアハウスですか?」
麻生「そう。ずっと集客に困っていたけど、やっと時代が追い付いて、シェアハウス用の小さなWebサイトもできてきた。だから、そのサイトにまずは最初の小岩の物件を掲載してみた。そしたら、1か月ですべて満室になってしまうくらいの大反響。当時はみんなが、ワンルームマンションが主流になっている中、バスもトイレもないシェアハウスなんて絶対に流行らないからやめたほうがいいとみんなが言っていた。だけど、リビングがオシャレで家賃がリーズナブルなら特に東京で初めて一人暮らしをする人間には絶対に流行る確信があったよね。」
シェアハウス第1号のシェアレジデンス南小岩
シェアハウスの住民とスタッフで共同参加した時のトライアスロンの様子(※全員完走)
工藤「小岩での成功を皮切りにどんどん事業を拡大させていったかと思いますが、社員さんはどうやって増やしていったのですか?」
麻生「実は、今うちで働いている人は、うちのやっているシェアハウスに住んでいる人が多いんだ。僕らのシェアハウスは運営主と住人の関係がすごく近い。昔はよく季節や誕生日に合わせたイベントを行って交流を図っていた。その中で話して気になった人が仕事を探していたら、声をかけている。今はコロナでなかなかできないんだけどね。」
定期的に開催される誕生日パーティー(現在はコロナの影響で開催中止)
工藤「住人から社員を探すなんて斬新ですね!」
麻生「シェアハウスにいきなり住もうなんて人は物好きだと思うんだ。だた、その背中をいい意味で無責任に押してくれる人が大事。実際にいいものを作っているし住人が喜んでいる話はよく聞く。だから、その生活を実体験ベースで語ることができたりすることが大事だと思うんだ。実際に住んだことのない人に勧められても利用したいと思わないでしょ?」
工藤「すごい納得。。。じゃああなたが住めばいいじゃない?ってなりますよね。」
麻生「そうそう。あとはやっぱり住んでいたりすると隠せないじゃない。仕事の中で相手を知っておくというのは重要だと思っていて、信頼関係を築ける相手と一緒に仕事をしてきたいでしょ?だから仕事の発注も基本的に自分の知っている人ばかりだね。」
茂木健一郎さんの限定講演前の様子
工藤「昨年よりJR東日本のグループに参入したと思いますが、今までのままじゃ駄目だったんですか?」
麻生「かぼちゃの馬車事件が発生したじゃない?その結果でシェアハウスにおける風向きが変わっちゃったんだ。新しい物件を見つけても、購入や改装資金のための融資は依頼しても断られる。シェアハウス運営しているだけで何か悪いことしているんじゃないか?ってね。だから当時、沿線沿いの町の活性化を考えていたJR東日本さんとタッグを組み、グループに参入したんだ。」
工藤「当時ずっとニュースでやっていたのを覚えています。」
麻生「JR東日本さんのグループになったことで銀行さんからも融資をしてもらいやすくなったし、購入を検討してる物件を所有しているオーナーさんとの交渉もうまくいくようになったね。だから大型の物件含めて契約も決まるようになって、新しい物件をどんどん立てていくことができるようになった。最近だと方南町のシェアハウスがそれだね。」
工藤「方南町のシェアハウスって今までのシェアハウスと違ってバスもトイレもキッチンもついていますよね。」
シェアリエット杉並方南町の部屋付属のキッチン・トイレ
麻生「そうそう!今度はね、『1ルーム』+『共有部』をやってみようと思っているよ。今のシェアハウスのさらに進化版になるかな。」
シェアハウス入居者向けにワインソムリエによるワインのテイスティング会の様子
工藤「『1ルーム』+『共有部』ですか。タワーマンションとかではよくリッチな共有施設を用意していたりしますよね。ああいったものを作っていくということですか?」
麻生「あれは分譲マンションだけど、うちでやりたいのは賃貸マンション。今の時代、在宅で仕事をすることが増えて、人と会う機会が減ってしまったでしょ。1日家にいて、人と他愛もない話ができないで狭いところにいると精神的に病んでしまう人も多いと思うんだよね。」
工藤「実際に自分の周りの友人もそれが嫌でわざわざ実家で仕事をしている人もいますね。」
麻生「同じ釜の飯を食い、一つ屋根の下で暮らす。そういった気心知れた人が近くにいるだけで違うじゃない?普段は個室にいたとしても下に誰かいると思うだけで安心する。そう思うんだよね。」
工藤「実際に病気で倒れてしまった人はLINEでSOSをあげるとみんなが差し入れを持ってきてくれたら気遣ってくれたりしている光景はよく見ます。」
麻生「コロナの影響で一人感染者がシェアハウスからでた時、みんな出て行っちゃうのかという不安があった。ただ、驚くことにそれが原因で退去する人はいなかった。みんなここで培われたコミュニティの重要性を肌で感じているんだろうね。」
工藤「コミュニティ形成のためにいろいろな仕掛けをしていますよね。特徴的なシェアハウスでいえば『シェアレジデンスたまプラーザ』!
実際に遊びに行ったことありますが、シェアハウス内にプールやスケボーの練習場、バスケットゴール、トレーニングジム、サバゲー用の装備、ビールサーバーに屋上!本当にいろいろな設備を用意してみんなが仲良くなるような仕掛けをしていますよね。」
シェアレジデンスたまプラーザの敷地内
麻生「そうだね!今の時期だと感染拡大をケアしているけど自然と交流ができるように遊びを持っているね。今後は、感染拡大にならないように隔離施設をハウス内に作ろうと思っている。その中ではバス・トイレ・キッチンすべてついているものを用意すれば、部屋を出なくて済むからみんな心配しなくていいしね。」
工藤「シェアハウス住んでいない人にシェアハウスに住んでもらうようにしたらどうしたらいいですか?」
麻生「まずは、気軽にシェアハウスを体験してもらいたい。今は特にコロナ禍で学生も社会人もリモートが中心になり、人との関係がオンライン化してしまっている。なのでなおさら、シェアハウスのリビングでリアルな人間関係を体験してもらいたい。学生ならインターンより、社会人なら研修会やセミナーより、よっぽど身になると思う。
また、うちのシェアハウスでの出会いをきっかけに結婚相手を見つけたカップルや、一生涯の友人と知り合えたという人も多くいます。仕事、交友関係、恋愛、勉強…どんな目的もでいいので一度体験をしてもらえれば良さが伝わると思います!」
『シェアハウスにおいては、異業種交流や友人との交流があり、さまざまな情報や英知の共有が行われている』
茂木健一郎氏の著書、『金持ち脳と貧乏脳』 でも紹介されているようにシェアハウスには様々な業種の人が一緒に住むことで普段接することのない情報に触れることができます。それにより、今までにない現代の生活にマッチした様々なアイデアが浮かんで日々の生活を彩ります。
このような、いわば『コミュニティビルディング』を行いやすくする、『シェアハウス』という新しい文化を日本に持ち込み、作り上げてきた株式会社シェア・デザイン。
今後は、シェアハウスをクラウドファンディングで作り上げみんなで作り上げていくシェアハウスや定住とウィークリーやマンスリーのような期間貸しを組み合わせるシェアハウスなど新しい取り組みをしていくとのこと。
デジタルでのコミュニケーションが増え、リアルの関係性が希薄化していく中で、一つ屋根の下で暮らす『友達以上、家族未満』のコミュニティは、これからより一層貴重な存在になる。
シェアハウスは、実家のような安心感があり、精神的な落ち着ける場所。
そんなコミュニティを作っていきたいと語る麻生氏を見て、そっと更新延長の届けを出してきました。
麻生氏が経営する、株式会社シェア・デザインの物件が気になる人は是非こちらからお探しください。
RECOMMEND