ミニマルライフ・スモールライフとシェアハウス生活

必要最小限の荷物だけで生活する、極力モノを持たないライフスタイルをミニマルライフと呼びます。この呼び名だと、「私には関係ない」と思うかもしれませんが、「断捨離」といったらどうでしょうか? 最近では身近になっているスタイルですよね。今回はシェアハウスとミニマルライフノ関係性について触れたいと思います。

シェアハウス入居者は、ミニマルライフを実践している人が多いのは確かです。しかし、それはライフスタイルに共感しているというよりは、“必要に迫られて”や“自然と”といった感じではないでしょうか? 

ミニマルライフ・スモールライフ

それには理由があります。まずは個室の空間が狭いことが多いので、空間的に必要最小限のモノしか所有できないこと。一人暮らしのアパートからシェアハウスに入居する場合、荷物をすべて運び込むは不可能です。そこで、まずは荷物の選別が始まっているのです。

実際に、シェアハウスに住むのに、荷物を半分までに減らしたという入居者はざらにいます。私は、10年以上使って古くなっていたということもあり、テレビ、洗濯機、電子レンジ、冷蔵庫と大型家電はすべて処分しています。そして、この荷物が減った状態で生活しても意外と快適なことが次第に分かってくるんですよね。

そうすると、モノを欲しいという物質欲が自然となくなってきて、勝手にミニマルライフを送っているのです。「これを買うと部屋が狭くなる」という思考もだんだんと身に付くこともあるかもしれません。

さらに不要になったものは貯めずに処分が当たり前。もちろん、部屋に置き場所がないから。リビングでは、定期的に入居者によるフリーマーケットが開催されます。ゴミとしてではなく、必要な入居者の元に循環できるシステムが自然とできてしまうんです。

また一人暮らしですと、たまにしか使わないものでも買いそろえる必要があります。例えば、ドライバーなどの工具。近くに貸してくれる知り合いなんてまずいないですよね。しかし、シェアハウスでは、誰かが持っている可能性も!!  モノの貸し借り、ギブ&テイクを行うことで、個人としての所有物がぐっと減るのが実情です。

他のメリットは引っ越しがしやすいことでしょう。モノが少ないので荷造りが簡単。思い立ったらすぐに、次の場所へ転居するというのも多いです。現在住んでいるシェアハウスも、住み始めた2年半前と比べると、入居者の4分の3が変わっています。普通の賃貸住宅ではありえない数字だと思います。

デメリットとしては、所有しているものが少ないので、普通の賃貸に戻ろうとした場合に、いろいろと買いそろえるモノがあることぐらいです。ただ、現在は便利な時代。洗濯機がなければコインランドリーを使えば良いし、テレビも携帯電話で視聴することだってできてしまいます。所有しないことで、多少不便なことがあっても、すぐに慣れてしまいます。テレビっ子だった自分が、いまでは一週間の視聴時間が3-5時間くらいになりました。

一昔前は4畳半の風呂無しアパートで生活した若者がいたことだってあります。これは、言うなればミニマルライフの先駆けでしょう。モノがあふれた現在だからこそ、こういう生活も楽しいと思いますよ。

この記事を書いた人

新聞社での社会部記者を経て、現在はコンテンツマーケティングを企画制作する 会社でライターのディレクションなどを行っている。また、関東の大規 模シェ アハウスに拠点を置き、フリーで請け負うライター業務に関しては専らリビング で執筆している。双子座、B型、三人兄弟の三番目。

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