これだけシビアな現実があっても、ハウスメーカーや建築会社は新しいアパート、マンションを大家さんに販売することを辞めようとしません。
このような会社の営業マンたちは歩合制で動いています。ノルマを発生して売上をあげることで、自分たちの生活が守られるわけですから、彼らがアパートをはんばいするのはあたりまえなのです。彼らはただ、自分の職務をまっとうしているだけなのですから。
そもそもハウスメーカーや建築会社は、住宅を建てて売ることが商売です。
それが市場動向からかけ離れていても、入居者のニーズからかけ離れている者であっても、彼らにとっても大きな問題ではないのです。
大手メーカーの主なターゲットは地主さんです。彼らの営業文句は「相続税対策に有効ですよ!」という言葉ですが、このは嘘というわけではないのです。実際、相続税対策に、アパート・マンションは有効だったりします。
現金は100万円あれば100万円分の財産として計算されますが、不動産(建物)は100万円のお金をかけても60万円程度の評価となり、貸し家にすれば、さらに30%も評価が減少するのです。
この仕組みがある限り、アパート・マンション建設を節税対策に活用する人たちも存在し続けるはずです。現在、彼らに狙われているのは地主さんだけではありません。属性のよいサラリーマンも、同じようなセールスされています。甘い言葉にのって地獄を見ることになってはいけません。