シェアハウス投資の基本③下がり続ける家賃

地方賃貸の実情

地方では、企業が撤退したころで人が減り、空室が埋まらないアパートやマンションが増えています。そして、空室を埋めるために、熾烈な家賃の値下げ競争が始まっています。
初期費用に関しても、敷金・礼金0か月は当たり前。それだけでなく、本来なら入居者さんが支払うべき仲介業者への仲介手数料を大家が代わりに支払ったり、フリーレント(家賃無料サービス)をつけたりといった話もよく聞きます。

私はある東北地方の大家さんから、「フリーレント3か月が一般的」と聞いて、唖然としました。しかし、いくら収支が合わなくても、周りがそこまで下げていていれば、合わせざるをえないのです。
空室でも損、入居しても損。中には、フリーレントの物件だけを渡り歩くような悪質な入居者もいるそうですから、開いた口がふさがりません。

広告費(仲介業者へ支払う謝礼)も高騰する一方です。北海道では何と家賃5ヶ月分の広告料を求められるケースが珍しくないといいます。 それでも埋まらなければ、今度は家賃や初期費用だけでなく、以下のように「入居条件を緩める」という手を打つことになります。

条件緩和の例
・ペット可
・楽器可
・日本国籍以外の人可
・ワンルームに2名入居可
・水商売可
・フリーター、求職中の方可
・高齢者可
・母子家庭可
・生活保護受給者可

リスクに考える

一見、効果的な空室対策に思えますが、実際にそう簡単ではありません。
例えば、元々は単身者向けだった物件に、あるときから急に複数で入居する人が加わったり、ペット不可だったアパートが、突然ペット可になったりしたら、入居者同士でトラブルが生じることは目に見えています。
場合によっては「動物が苦手だから、このアパートを選んだのに・・・」と、元からいる優良入居者さんが退去することもあるかもしれないのです。 東京の投資家が、高利回りを狙って地方の物件を購入することは珍しくありません。フルローンを抱えた投資家から見れば、地元の観衆を無視した営業をする投資家は、目の上のたんこぶに感じます。
双方が入居者を奪い合った結果、家賃はますます下がり、入居者の質は落ちるという負のスパイラルに陥っている地方が、日本のあちこちに増えています。

この記事を書いた人

1959年、世田谷で工務店経営者の次男として生まれる。 世田谷にて珈琲専門店を経営していたが、株式投資の信用取引に手を出しバブル崩壊 と共に人生も崩壊。 夜逃げ、離婚、自己破産を経てタクシー運転手になり、その後土地の相続を受け 本格的にアパート経営に乗り出す。 世田谷、目黒などのブランド立地に駅から徒歩5分以内にこだわり新感覚アパートを 提唱し、土地2建物1の黄金比にて10年前後で回数し、ゆとりのある資産運営できる アパート経営実践会「10年後に笑大家の会」を主宰している。 自身も世田谷、目黒を中心とした60室の大家である。

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