成功するためには、ネガティブであってはいけない。
「ポジティブ」であることこそ、重要である。
成功するイメージを常に描き、理想や目標を掲げよう。
具体的にイメージし続けることは、必ず幸福と成功をもたらす。
このような考え方を、どこかで目にしたことがあるのではないでしょうか。たしかに、ポジティブシンキングは重要です。シェアハウスにおいても、「人と上手に付き合うには、ポジティブであれ」という考え方は、散々言われてきているのではないでしょうか。
しかしながら、ポジティブシンキングは本当に、人を幸福に導くパワーを与えてくれるのでしょうか?
カリフォルニア大学の心理研究においては、「テストの点数でより上位のランクを獲得できるよう、学生にイメージトレーニングをさせたところ、イメージのしすぎで勉強時間が減少してしまい、結果として学生たちの試験結果が悪くなった」というデータも存在するそうです。
成功するためのイメージトレーニングやポジティブシンキングは、必ずしも人生に豊かさをもたらし、幸福にするものではないようです。
それでは、どうすれば今の自分の現状を打破し、幸福で豊かな生活を送ることができるのでしょうか?
ここで注目したいのが「意志力」です。
人間は普段、感情に基づいて行動しています。しかし、行動から感情を生み出すこともまた、可能なのです。
たとえば、人は楽しい気持ちになった時に、自然と笑顔になります。ところが、何もない時にも、口角を上げて笑顔を作ると、人は幸福を感じるという心理学の実験結果が存在します。つまり、自分の望んでいる行動や振る舞いをすることで、実際にそのタイプの人間になることが可能なのです。
例を挙げてみましょう。シェアハウスでお酒が振る舞われるような時に、あなたは残念ながら禁酒をしていたとします。この時に、「飲まない自分をイメージして、断固として拒否」しようとしたものの、シェアメイトに巧みに誘われ、ついグラスに口をつけてしまった…という人も多いのではないでしょうか。
しかし、こういう時には筋肉に力を入れ、欲求を抑えているポーズを先んじて作ってしまうのです。こぶしや上腕に力を入れ、肉体を緊張させることで意志力が強化され、自分の意志を貫くことができるのだそうです。
これは、反対のことも言えます。ここぞという時に筋肉を弛緩させ、腕や首をダランと下に向け、俯いた姿勢で座る。それだけで、落ち込んだ気分になってしまうとされています。
ハーバード大学では、ある変わった実験が行われました。
年配の男性たちを集め、ある施設で過ごしてもらったというこの実験には、ひとつだけあるルールが存在しました。それが「20歳若くなったフリをする」というもの。介助も補助設備もなしで、“現在”の話もしてはいけません。20年前に時間を巻き戻したような演技を、全員で行うというこの実験では、数日で劇的な効果が見られたそうです。
参加した老人たちは、元気な表情になり、歩くスピードも速くなりました。
行動にも自信が満ちあふれ、記憶力や視力、聴力までが改善したと言われています。
ポジティブシンキングでいることだけが、シェアハウスで幸福に生きる術ではありません。
シェアメイトと話す時に緊張するという人は、体中の筋肉が自然とこわばっているのです。まずは力を抜いて体がリラックスしていることを確認し、笑顔を作ってから話しかけてみましょう。
また、意志薄弱でシェアハウスのルールが守れないという人は、意志力を強く持ち、こぶしを強く握りしめ、物理的に体に力を入れることで改善が見られるかもしれません。
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