ソロ社会、という言葉を皆さんは聞いたことがあるでしょうか?
『ソロ社会』という言葉自体は、独身生活者研究の第一人者でもある荒川和久さんが提唱した造語であり、『ソロ社会とは、独身者が増加する社会現象』をさします。
2020年の国勢調査時点で全国民のうち約44.1%が独身者となっており、1980年以降増加の一途を辿っている状況です。
2020年国勢調査より引用
2040年には日本国民の半数以上が独身者となる『超ソロ社会』になるといわれています。(国立社会保障・人口問題研究所の推計より)また、特に独身者に関しては男性の方が増える傾向にあります。1990年あたりから急速に男性の生涯未婚率(50~54歳における未婚率)は増加しており、4人に1人は未婚である状態となっています。
※2020年国勢調査より引用(15歳以上の男女を対象、50~54歳の人口より試算)
急速に進むソロ社会はなぜ起きているのか?これらの変化にもたらされる影響に適応するための考え方、備えは何なのか?一つの意見として是非見ていってください!
なぜ、日本においてソロ社会が急速に進んでいるのでしょうか?
ソロ社会、つまり独身者割合の増加傾向を見るには、それぞれの段階で区切ってみると良いかもしれません。男性の恋愛に対する草食化と言われ恋愛意欲が低いと言われ始めて久しいですが、近年急速に広がるマッチングアプリで出会いの数は大きく変わっているはずでしょう。それでは未婚の男性女性における、恋愛意欲とデートの数を見てみましょう。
※博報堂生活総合研究所 生活定点より引用
※2017年度版『青少年の性行動』第8回調査報告より引用
「いくつになっても恋愛をしていたいと思う」という回答は、1998年から全体的に減少傾向にあり、特に20代に至ってはその他の世代に抜かれ、恋愛意欲は半分以下となっていますね。男性の恋愛の消極化の傾向が出ています。また、若年層のデート経験率の推移に関しては、特に大学生の時点でのデート経験率が10%程落ちていることが見て取れますね。
恋愛意欲が低くデートというアクションに結びつかないことがわかりました。
それでは、交際関係はいかがでしょうか?
国立社会保障・人口問題研究所 第16回出生動向基本調査より引用
未婚者の18歳~34歳における交際相手がいない人の割合の推移になりますが、1997年あたりから高くなっている傾向が見られます。余談ですが、同年代のみと付き合うのであれば、男性と女性の恋人がいる割合は同水準となります。しかし、定常的に女性の方が男性よりも高いことより、35歳以上の男性と交際をする女性が多くいる、となりますね。
2005年と2015年の交際割合の下落幅が男性の方が大きいのも興味深いです。先ほどのデータより若年男性の恋愛意向よりも中年男性の恋愛意向が高いことがわかっています。若年男性は落ちたものの中年男性との恋愛はそこまで変わっていないかもしれませんね。
さて、それでは交際を始めたとしてその後結婚する割合はどうでしょうか?厳密に計算をすることが難しいので、18歳~34歳において付き合っている人とその年の婚姻件数の割合から見てみましょう。
21年はコロナの影響も大きかったと見えますが、男性は2005年、女性は2002年を底として結婚率は上昇している傾向が見えます。40年前と比較すると結婚率は落ちますが20年前よりも高くなっており、付き合っていてそのパートナーと結婚する割合はそこまで大きな変化がないように見えます。
しかし、付き合ってから結婚というハードルが高くなっているのか、約2.5年から約4.3年と非常に長く伸びる傾向となっています。また、結婚して離婚する傾向に関してはいかがでしょうか?3組に1組は別れる。ということはよく言われますがどうなのでしょうか?
実はこのパーセントは、その年の婚姻件数と離婚件数を入れたもので現在の結婚世帯からの母数から割り出しているものではありません。離婚するのは結婚世帯であって、離婚件数を婚約件数で割るのは時間軸がずれてしまうので正しいといえないでしょう。
離婚率を有配偶者数に対して離婚件数の割合とすると、そこまで高くないといえます。(※一般的な離婚率 = 年間離婚届出件数/人口 × 1,000ではないです。)また、直近は減少傾向にもあることを踏まえると独身の増加に寄与しているとは言えなさそうですね。
まとめてみると、
ということがわかりましたね。独身が増えている一番の問題は、特定の相手を持ちたい。という意向が下がっていることが影響していそうですね。
それでは、なぜ特定のパートナーを作ることを避ける風潮があるのでしょうか?次の章ではこの原因を紐解いていていきます。
それでは、独身と既婚の違いを国立社会保障・人口問題研究所、第16回出生動向基本調査より、未婚者における結婚と独身の利点に関する回答結果より比較してみたいと思います。
安定と自由は対となる概念となりそうです。結婚することで自分の条件に合う人生のパートナーと共に生活を送り、家庭を持ちます。その安定的な生活が精神的にも安らぎを与えてくれるのでしょう。反対に、独身でいるということは何も背負わずに生きることができます。そのため、自分の思った行動や生き方の選択を自由に取ることができるでしょう。
金銭面においては、結婚後に共働きであるのか?子供がいるのか?によって大きく変わってくることを考慮すると、また意見が変わってきますが、ここでは共働きであることを想定します。
結婚をすることで一人で生活をするよりも揃って生活できるため、生活コストを抑えることができます。家庭の余裕も出てくるでしょう。ただ、子供がいたり将来への貯蓄を最大限行う必要も出てくるので、実際に使用できる金額は減るとみられます。
独身の場合、稼いだ分はすべて自分一人に対して使うことができるので、自分の持っているお金の限り自由に際限なく使用することができます。しかし、相手に頼ることはできないため、収入が減少するリスクと背中合わせで生活をすることになります。
交友関係に関しては結婚有無によって大きく変わってきますね。
結婚している場合、パートナーと子供が中心に据えられ、相手の家族も考えたうえでの交友関係となり、刺激的な短期の関係よりも長期の安定した関係が重視される傾向にあるでしょう。
独身の場合、幅広い人たちと交流関係を築くことができます。もちろん、特定のパートナーがいませんので、複数の異性との関係しても問題ありません。(彼氏/彼女がいる場合はその限りではありませんが・・・。)また、安定した関係が自分の親となるので、その関係を大事にする傾向にあるでしょう。
さて、まとめになりますが結婚・独身に関して、
結婚
独身
という違いが見えてきました。
ちなみに、どちらが幸せなのか?ということは研究されており結果としては、既婚者の方が全体的に人生の満足度は高く40~50代で大きく差がつく。とされています。 『元々幸福を感じやすい人が既婚者に多い』・『独身者の中でも結婚を望まない人のみの回答を見たら変わってくる。』・『結婚した後でも子供の有無によって大きく満足度が異なってくる』などの様々な見方があるとしても平均的な話となっています。
結婚した方が満足度が高くなる研究調査もある中でこれから主流となる独身者。個人の自由を尊重する生き方が増えていく中で、どうしたらこの中でも幸せを感じられるようになるのでしょうか?次では、独身が幸せに生活するための4つの考えをご紹介します。
独身者の一つの悩みとして孤独感があります。孤独感はストレスホルモンのコルチゾールの増加を招き、身体機能の低下にも影響を与え生活のQOLの低下にもつながります。独身者は自由な交友関係を築きやすいことが一つのメリットになっているのにも関わらず、孤独を感じてしまうようだともったいないですよね。 対応としては、現状のコミュニティにとどまっていても享受できません。 広い交友関係を持つには、複数のコミュニティに接続できるようにしておくといいでしょう。
30代にもなると周りの6割以上は既婚されている状態。親や友達からも色々いらんことも言われるでしょう。ただ、その時に自分の今の生き方を良いとするように指針を持ちながら趣味などを持ち進むといいでしょう。
現在のAIリコメンド技術により自分の興味関心のある分野の情報が集まりやすくなった反面、興味関心の外にある内容に関しては入りにくくなっています。自分に入ってくる情報が偏ってしまうリスクがある現代になってきました。一人で生きていくにあたり特定の防具しか持っていなかったら、この世の中は生きていけません。(Chat-GPTを知らなくて、エンジニアやっていたらすぐに職を奪われてしまって代替されるリスクありますよね?)
対応としては、意図的に自分の興味関心の外にある情報を取るようにしておく必要があります。そのため、自分の専門外の人間と関係を築くことであったり、固定されない関係で情報のキャッチアップが必要となってきます。
独身の人は自分で稼いできたお金をそのまま使うことに関して何も制限がなく、自由です。しかし、病気やコロナなどの大きな環境変化などで、自分で稼げなくなってしまうとそのままダイレクトに生活に直結するリスクがあります。そのため、リスク分散をするためにも、サラリーマンの方でも本業以外にもスキルを身に着け、副業をするなど複数の所得をもっておくことが重要になってきます。 また、稼いできたお金の一部を資産運用に回すなどで、将来的に資産を増やす取り組みが必要になってきます。
前の章で挙げたように自分のライフスタイルを保ちつつ、人と関わり様々な交友関係を持つ。また、各方面の情報を集め時代に取り残されないように対応しつつ、経済の動向や自身の収入減リスクを考え対策していくことをすべて一人でやるには大変ですよね。
そのため、様々なコミュニティへ接続し、助け・助けられる力が重要だと考えています。コミュニティというのも利害関係であったり、関係性の深さによって大きく4象限に分けることができます。
この中でも特に広がりがありつつも深くなることのできる所属組織でオープンなコミュニティが重要であると考えています。
私個人としても実は色々オープンなコミュニティには参加してきました。例えば、ベンチャー企業で働く同年代のIT業界コミュニティの交流会。熱い気持ちで働く同世代の話は刺激になりましたし、各事業の挑戦を聞けて面白いなー、と思いました。しかし、じゃあ会もそこそこに解散!となり、どうだったのか?楽しかった夜は終わり、翌日には通常業務に戻る。そこで特段何かに発展することがなく、終了です。
それでは何か継続的に何かを取り組んでみるのがいいのか?と思い、1か月の住み込みコミュニティ体験をしてみました。確かに1か月の中で非常に濃い人間関係を築けたと思います。体験の中での出来事を話し合ったり、それまでの生活に関して話し合ったりしました。ただ、通常の生活の中に戻った際にどうだったのか?その後は何もなく終わりました。
結局はなぜつながる?が明確ではないと難しいように感じますし、そんな中で関係性を保持し続けるには労力が必要なんですよね。無理せず日常の生活の中にオープンなコミュニティがあること、それが長く続く関係になるのだなと思います。
例えばシェアハウスに住むことを考えると、同じメンバーとは生活を共にしているわけで必然的にコミュニケーションをとる機会が生まれます。更に、過ごす時間も多いので関係性も深くなりましたね。また、同じシェアハウスに住んでいる人は会社や学校とは関連のない人ですので、自分の興味関心の外にいることが多いです。
そのため、得られる刺激や情報の幅広さは価値があるだろうと実感したところです。実際にこの中から新しい趣味(テニスなど)が発見できたり、仕事が発生することなんかもありました。
今後のソロ社会においてはこういった、自分の興味関心の外にある人たちと深くなれるようなコミュニティを持っておくと、幸福度が大きく変わってくるんだなと思います。更に、深い関係であればその人経由で他に広がることが十分に考えられます。友達の友達と飲みで仲良くなったことが皆さんもありますよね?それと同じです。また、一人ひとりが自立していく世の中で少しでも信頼できる相手を持っているということが何とも安心につながるものだと思います
是非今後のトレンドに遅れないよう、シェアハウスに住んでみることも検討してみてはいかがでしょうか?
友達がたくさん欲しい方は、【大規模物件(30名以上)のシェアハウス物件一覧】から探してみて下さい。
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