一括借上システムは、一見すると「大家さんのリスクゼロで毎月決まったお金がはいってくる便利なシステム」に見えますが、そんなうまい話が本当にあるのでしょうか?
契約する前に以下の項目を、よくよく見ていくと、そこにはいくつもの落とし穴があることがわかるはずです。
ここで10年、20年、30年と長期の契約をうたっていても、2の契約賃料のところに、「2年ごとに改定できる」とあれば、契約期間が長くても、ほとんど意味がありません。
大抵は「2年ごとに改定できる」とあります。つまり、高い契約賃料は新築のときだけで、契約期間中ずっとそれが続くとは考えてはいけません。
一括借上を行うメーカーから契約更新を拒否できる、という内容になっていることもよくあります。契約解除に関しても、メーカー側の有利に設定されているのが通常です。
竣工してずぐに満室になるとは限りません。そのためメーカーは「当初○ヶ月は家賃が払われない」という旨の免責期間を設けています。その間に入居者が決まり、家賃が支払われてもオーナーには1円も入りません。
入居者の入れ替わりのときに行われる現状回復工事については、すべて大家が負担するのが一般的です。
このように、実際には大家さにとって不利益な内容が、たくさん含まれています。
何千万円も借金をするのに、契約書をじっくり読み込むことをせず、あとで「こんなはずじゃなかった」と後悔する人が多いことに、私はいつも驚かされます。
不動産投資で成功したければ、自分が支払うお金が誰の懐に入るのか、もっと敏感にならなければなりません。
営業マンをたくさん抱えているようなメーカーのアパート・マンションは、一体誰のために建てているのでしょうか?あなたのためでも、入居者のためのものでもありません。自分たちのためです。それが彼らの仕事なのです。