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シェアハウスに市民権はあるのか?

『シェアハウスに住んでる』と言うと、友人からいろいろ質問を受けることがあります。『他人と住んで、トラブルとかないの?』、『シェアとかめんどくさくないの?』とかとか、シェアハウスに住んでいる人なら一度は経験したことがあるのではないでしょうか。ここで質問している方としては悪気は特に何もないかとおもいますが、前提としてシェアハウスに対して、どこかネガティブなイメージを持っているようです。さて、そのネガティブなイメージはどこからやってくるのでしょうか?また、そのイメージって正しいのか?ちょっと考察してみたいと思います。

プライバシーが重要?

今の時代ほどプライバシーの重要性が叫ばれている時代はないかと思います。企業が個人情報を漏らしてしまった時などは、ニュースの一面を飾ることでブランドイメージがとても傷ついてしまったり、最悪の場合多額の損害賠償請求をされることもあります。20~30年くらい前であれば、「すいません」で済んでいたことが、今の時代は許されないようです(僕個人的には、そんな社会にちょっとさびしさを感じますね。。)。そして、このプライバシーですが、“シェア”という概念には、水と油のような関係があり、どこかネガティブなイメージを連想させてしまう一因になっているようです。もちろん、ここで言うプライバシーというのは、自身の年齢や出身大学や勤務先などの情報だけでなく、寝顔やスッピンの顔を血の繋がっていない人(家族以外の人)or恋人でもない人に見られることであったり、私生活のちょっとしただらしがない癖などが他人にバレてしまうことどを含んでいます。他人に知られたくないことが、知られてしまう可能性が高い環境であるシェアハウス=ややネガティブという考えがどこかあるようです。実際シェアハウスに住んでみると、バレて困るようなことってあんまりないってことがわかるけど、住んだことがない方にとっては、どこか警戒心を生んでしまうかもしれませんね。(あくまでも私見です。)

やっぱり占有したい?

バブル世代の方々のお話を聞くと、少しわれわれの世代とのGAPを感じることがあります。バブル世代の方々には、車をレンタルするという発想はあんまりないようですし、80年代後半の時は、何に乗っているか、ということと、ナンバーがどこか(品川ナンバーが人気だったらしいです)などもチェックしており、今の若い人たちが所有していないことに違和感を感じる人もいるようです。
最近でこそ、若い人は車を持たない方がマジョリティーになり、レンタルやシェアに対して許容する態度が世間的にも見受けられてきているようだけど、これはあくまでも使用頻度の低いものに限られているように思えます。車だったら、月1~2回レジャーで使用するかどうかだと思うので、低頻度のモノに該当するかと思いますが、住宅(毎日使用するものですね)みたいに使用頻度の高いモノに関する許容というのはまだまだ受け入れられていないように思えます。確かに、毎日使用するものに関しては、自分の自由に使いたいという欲求が強いと思うので、他人に融通するという行為を日常的にしなければならないシェアハウスには、ややネガティブなイメージを湧いてしまうのかもしれません。ただ、個人差はあるかと思いますが、僕個人的には、毎日他の人に融通したり、気を遣っていることはないですけどね。結構、自由にやらせてもらっています(笑。もちろん最低限のルールを守らなければならないところもありますが、そこまで苦になるようなこともないかと思います。まあ、このあたりの感覚も実際にシェアハウスに住んでみないとわからないですよね。

学生が住む住まいかな?

シェアハウスって学生とかによさそうだね!という言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。どこか、シェアハウス≒学生寮みたいな感じといった漠然としたイメージがあるようですね。そんなこともあって、シェアハウスはさほどお金を持っていない方が住んでいるという偏見がまだまだあるようです。特にプライドの高い方々にとっては、シェアハウスに住むことで、周りからお金をあんまり持ってないのかな?と思われてしまうことが嫌なのかもしれません。僕の周りは、結構高給取りの方々が多いのですが、そういう方ほど上記のような考えを持っている方が多いような。。。でも実際シェアハウスを探してみればわかると思うけど、そこまで賃料は安くないですね。ワンルームと同等程度の賃料の物件も結構あるし、まれにワンルームよりも高くね?と思われる物件もあります。そして、実際にシェアハウスに住んでいる方々の年齢を調べてみると、アラサーの方々が多かったりします(学生ってあんまりいなかったりします)。まだまだ新しい住まいだから、いろいろ誤解されてしまうのはしょうがない部分もあるかと思いますが、物事が正確に伝わっていないのは残念ですね。

シェアハウスがまだまだマイノリティーの住まいであること、そして上記のような誤解(?)や認識違い(?)などがあるうちは、まだ社会的な市民権が得られていない状態にあると個人的には思っています。だからこそ、シェアハウスを客観的に伝えていく役割を果たすポータルサイトに力をもっともっと入れていくことで、『おれ、シェアハウスに住んでいるんだ』、『へ~楽しそうだね。たしかに、一度は経験しておくべきだよねー。』という会話が普通になることを目指していきたいと思います。

この記事を書いた人

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