前回一括借り上げのシステムについてお話しいたしましたが、今回は『委託』について渋谷区W様の事例とともに、システムとオーナー側のメリット・デメリットについて簡単にご説明をいたします。
・毎月の収入変動あり
・リノベーション工事費用、設備費用のオーナー負担あり
・委託会社への費用負担あり
≪委託のシステム≫
・毎月の家賃収入の75%~80%を受け取ることが可能。
※注意:委託業者によって、委託費用が異なります。
家賃収入のみで計算した20~25%が委託費用になる場合と、家賃収入および入居者から徴収した共益費も含めるトータル金額の20~25%が委託費用になる2パターンがあります。
・施工費用や設備費用などの初期費用を全額オーナーが負担。
・毎月の消耗品(トイレットペーパーや食器用洗剤、掃除用洗剤など)、共有部の定期清掃費、水道光熱費、インターネット、CATV 料金等の実費はオーナーが全て負担。
※テナント(入居者)から共益費として家賃とは別途徴収を行う。
・入居者の募集から、内覧案内、審査、契約、入居後のトラブル対応や家賃集金業務、建物の小修繕など全て委託業者が代行。
・建物保守管理業務も委託できるが、費用負担はオーナーとなります。
≪メリット≫
オーナーは下記の煩わしい管理業務が全て不要となります。
・毎月の家賃集金
・集客、入居審査、入退去契約手続き
・入居者間のトラブル、設備不具合の対応
・定期巡回管理(設備点検、消耗品補充、共有部定期清掃など)
・小修繕や植木の剪定など日常的なメンテナンス業務
・退去後の個室のクリーニングや修繕
・近隣住民からのクレーム対応
・設備トラブルの緊急対応(水漏れなど24時間対応)
・委託契約は2年更新なので、運営が落ち着いてから自主管理に切り替えることも可能
≪デメリット≫
・初期工事費用の負担
・新たな設備投資費用(追加投資)が必要
・光熱費など運営に係わる実費負担
■お悩み
人気エリアで築40年の戸建を安価に購入したが、道路付が悪く再建築不可物件のため立替えもできない。利回りがよく、管理などの煩わしさがない収益物件として活用するにはどうしたらよいかとお悩みでした。
■問題点の整理
初期費用の負担が可能であったことと、管理の煩わしさから解放されることがオーナーのご希望に添い「委託プラン」を選択されて事業体介在型のシェアハウスのオーナーになることを決められました。
シェアハウスを運営している施工業者からローコストでありながら新築同様となるハイパフォーマンスな仕上がりのリノベーション案をすぐに提示していただきました。
■解決
渋谷区というシェアハウス利用の女性層に人気が高い住所であったことも功を奏して、今回の施工会社(シェアハウス事業会社)が運営業務を代行し、回収した家賃収入の20%を委託費用とした「業務委託契約」を締結し「委託プラン」契約の運びとなりました。(自動2年更新)
入居者が利用する消耗品や水光熱費などに充てる共益費の徴収は事業会社が代行しますが、家賃収入の80%とともに満額オーナーへお支払されるシステムです。※委託業者により異なりますのでご注意ください。
建物は躯体の骨組みのみを残し、補強を施したのちにフルリノベーションを実施。新築同様となるフルリノベーションの工期は、解体と基礎工事を含めて3ヶ月で終了し、運営実績は1年3ヶ月の現在も、稼働率100%をキープしています。
次回は「シェアハウスオープンまでの流れ」とオーナーからの「よくある質問」ついてお話ししたいと思います。