新型コロナウィルスの流行が収まったら、今度はオミクロン株の流行が爆発的に増えてくるようになってきました。
密を避けるライフスタイルは2022年になっても変わらず、この生活がスタンダードになりつつあります。
シェアハウスは、同じ住居に複数の人が住み、空間を共にするので一人暮らしに比べて密になりがちで感染リスクも高いと思われています。
そのような環境下に今から住もうとする人がいるのか?
SHARE PARADEはシェアハウスのポータルサイトで数多くの物件検索・お問い合わせデータがあるので、自社のデータを元に今の市場分析をしてみました。
SHARE PARADEでは毎月数多くの問い合わせが発生していますが、
コロナに入ってからは問い合わせの数も減少しました。
Google Analyticsより
こちらは2019年・2020年・2021年における問い合わせ数の推移になりますが、2019年から2021年にかけて減少し、25%ほどの問い合わせの数が減っています。
特に厳戒態勢となっていた2020年4~6月については劇的に落ち込む結果となっていました。
それでは、シェアハウス市場はもう冷え込んでしまったのでしょうか?
ページビューの数を見てみましょう。
Google Analyticsより
これを見るとページビューの数は微減ですね。
ただ、アクセスの元を見るとやはり海外からは落ちてしまっていました。
日本からのアクセスに関してはそこまで変化がないです。
まだまだシェアハウスにおける注目は集まっているものの、最終の問い合わせまでには至っていない、という形ですね。
それでは具体的にどういった物件がよくみられているのでしょうか?
先ほどの中で問い合わせの数が減っていることはお伝えしましたが、
エリアによってアクセスが増えたエリア・減ったエリアが大きく分かれています。
Google Analyticsより
これは、コロナ前の2019年のサイト内の各エリアのページビュー数の平均を基準として各月の変化量をグラフ化したものになります。
これを見て分かるのは、
・多くなっているのは埼玉・千葉・23区東部・神奈川のエリア
・大きくアクセスを落としているのは、23区中央・23区南部・23区西部のエリア
となっています。
埼玉に至ってはピークの時には2倍以上もアクセスが伸びていた半面、23区中央では半分未満になるなどエリアによって命運が分かれた形になります。
毎日、会社に出社して業務を行うので毎朝、満員電車に揺られることは当たり前。
そこに体力と時間が奪われるなら、と仕事場にアクセスのいい場所に住もうとしたものの、賃料が高かったため、少しでも固定費用を抑えために、相場よりも安く住めるシェアハウスを選んでいた層が、コロナにより働き方が大きくシフトし在宅が増え、都心に行くことも少なくなった。そのために、より賃料を抑えかつ広い空間を手に入れるために、郊外に流れていったのではということが見て取れますね。コロナ以前は、渋谷区が圧倒的に人気でしたが、今は、横浜市が一番の人気エリアになっています。
それでは、今まで安く都心に住むことを選択をしていた層が郊外に流れていったのは、何をシェアハウスに住む価値として見出しているのでしょうか?
SHARE PARADEではシェアハウスを特定の条件に絞って検索をすることができますが、どのような条件で検索している人が多いのかをランキング形式で見ていきましょう。
第5位:キッチン充実のシェアハウス(全体検索シェアの4.8%)
第5位は、キッチンが充実しているシェアハウスでした。
家で行う仕事も増えてきた影響でしょうか?昼も夜も家で住ませることが増えてきた関係で充実したキッチンスペースを望む層が多くなってきました。
一人暮らしではキッチンのスペースがしっかりとれなかったり、洗い物をする場所が狭かったりと料理をするモチベーションもわきにくいですよね。ただ、シェアハウスなら別。
レストラン顔負けの業務用の火力の伴ったコンロやオーブンレンジがあったり。
そういった事を考えての検討層も多くなってきたということが分かってきました。
第4位:友人の宿泊OKのシェアハウス (全体検索シェアの5.4%)
第4位は、友人の宿泊OKのシェアハウスでした。
都内にコスパを求めて寝に帰るだけのシェアハウスというわけではなく、
しっかりと家の中で生活が成り立つシェアハウスを求める傾向が見えてきました。
それに伴い、友達も呼んでおうち時間を過ごしたい層も増えてきているのでしょう。
緊急事態宣言やまん防などにより、外で友達と会う事が難しくなってきたからかもしれません。
ランキング外とはなっていますが、コロナ対策をしている物件もよく検索をされている傾向はあるので、外部の人が来るのであればコロナの対策面は必要になってきますね。
第3位:女性専用のシェアハウス (全体検索シェアの8.4%)
第3位は、女性専用のシェアハウスでした。
こちらは、コロナ流行前から人気の条件でした。
男性と同じシェアハウスに住むことに関して、抵抗のある女性も多く、女性専用の小型から中型のシェアハウスが増えてきました。
また、その中でも、ヨガスタジオや美顔器など女性が特に喜ぶようなサービス設備を用意していたり、内装デザインも女性好みに仕立てているシェアハウスが人気となっています。
第2位:大型物件のシェアハウス (全体検索シェアの11.1%)
第2位は大型物件でした。
30人以上を大型物件としていますが、コロナ前と比較し、10倍程度のアクセスが集まっているトレンドワードです。
大型物件の特徴は大きく2点あり、ソーシャルコミュニティの形成と設備面での充実になります。
ソーシャルコミュニティの重要性に関しては、こちらの記事にて紹介をしているのでチェックしてみてください。
設備に関しては、『おうち時間』が増えたことでシェアハウス内にフィットネスルームやシアタールーム、カラオケルームといった娯楽をハウス内に持ってくるだけでなく、コワーキングスペースを用意するなど、仕事もしやすくなる環境を整えた物件が非常に人気になっています。
第1位:水周り付きのシェアハウス (全体検索シェアの30.7%)
第1位は、水周り付きのシェアハウスでした。
従来のシェアハウスは個室と共有部で成り立ってはいましたが、最近人気になっているのは、ワンルーム×共有部になります、
個室の中にシャワーもあり、トイレもあり、キッチンもありプライベート空間が整っている。寂しくなったら共有部のラウンジに行き、少し気分転換して仕事をしたいとなったらワークスペースに行く。そういった、賃貸の一人暮らしとシェアハウスのいいところを掛け合わせたシェアハウスを求めている層が増えてきています。
以前までは、都内までのアクセスがいい場所にコスパよく住めることがシェアハウスの価値の一つでした。
ただ、コロナの流行によりあらゆるサービスのオンライン化が加速的に進んだことにより状況は一変。
外での活動がメインだった時代から、家での活動がメインにシフトしました。
結果として、多くの時間を過ごす住環境に重きを置く事が増え、より豊かに住むことを望むようになったといえます。
そのため、シェアハウスにおける価値は、リアルな人間関係の創出やユニークなライフ体験にシフトしつつあります。
そのため運営会社はより理念・コンセプトに基づいたシェアハウス設計やコミュニティづくりを支える制度やイベントの運営が必要になってくるかもしれません。
以上、コロナによるシェアハウス市場における転換をデータを元に紐解いてみました。
シェアハウス事業に参考ください。
PRなどの面でお困りのことがありましたら、ご相談ください。