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入居者体験談

シェアハウス生活、プライバシーを守るために決め手となるのは?

シェアハウス生活、プライバシーを守るために決め手となるのは?


「シェアハウスって、独りになれたりするの?」

そんなことを聞かれることがときどきありますが、これについては、オフコース!です。

不動産会社が運営している大型シェアハウスはたいがい、建物の中に廊下があって、それぞれの個室が並んでいるマンションのような建物。自室に入ってしまえばすぐ独りになれます。

一戸建ての部屋を分けて住む形態のシェアハウスや、マンションの1室を分け合っているルームシェアなどよりは、構造的に“独り感覚”はより得られるんじゃないかと思います。


そもそもシェアハウスは人と関わることを前提に住む場所。

お互いの部屋の行き来を住人同士がしたりするのか?と言えば……それはときどきありますね。

たけど、うちはあまり頻繁じゃない方かも?

なぜなら別のシェアハウスでは、ある中心的存在のメンバーの部屋のドアはいつでも空いていて誰でも出入り自由になっている、という話を聞いたことがあるから。

それを聞いて、「えー!? そこまでオープンなの!?」と私は驚きました。

うちではそんな気軽にアポなしでお互いの部屋を訪ねたりはあまりしません。

もちろん、ある人とある人はよく行き来し合ってる、という個別のケースはあるでしょうけれども……いったん部屋に入ってしまえば、お互いノータッチという空気が、なんとな〜く、全体にあります。

用があるときの伝達手段は、たとえ同じ階に住んでいてもほとんどFacebookのメッセージです。

突然ドアをトントンして用件を伝えることも、あまりない。だって、もし向こうが返事したくない気分だったとしたら悪いもんね。

そう考えると、うちのシェアハウスは住人同士でプライバシーを守り合っている方なのかもしれません。


でも、なぜ?


思うに、です。

原因は、建物のつくりにあるんじゃないかと思うのです。


うちは、廊下の幅が広い。床もグレーのコンクリートで、例えるなら学校の廊下みたいな感じ(グレーなのでちょっと違うけど)。ドアも、金属でできた(鉄なのか何なのかは分からないけど)しっかりした重いドアです。

だけど私が見たほかのシェアハウスは、もっと廊下の幅が普通の家の廊下くらいに狭く、床も絨毯だったりして、“家の中”な雰囲気が漂う空間。ドアは、どんな素材だったかは忘れてしまいましたが(すみません……)、金属よりももうちょっと軽い素材だったように思います。


うちの場合、床がコンクリートなので自室を一歩出たら“外”っぽい感じが少しするうえ、廊下の幅が広いため必然的に部屋と部屋に距離がある。

さらに、ドアが頑丈なつくりであるほど、プライベート空間と共有空間を隔てる意味合いが強くなるんじゃないでしょうか。

そういったことが、個室フロアでのお互いの心理的な距離感も生んでいる。

環境が人と人との関係をも決定する、ということです。

あるいは、内覧しに来たときにその距離感を無意識に感じ取って「このくらいの離れ具合がちょうどいい」と思った人が入居している、ということなのかもしれません。


と、いうことは。

シェアハウス生活、自分の“独りになりたい度”、もしくは“誰かと一緒にいたい度”の強さに合った物件を選ぶには……「廊下とドアを見よ!」ですね。

svgこの記事を書いた人
奥 麻里奈

1982年8月3日生まれ、獅子座、O型。大阪府出身。都内のオフィス複合型シェアハウスに住む、フリーランスの三十路ライター。美容専門誌編集者としてまだ出版社に勤めていた2012年1月からシェアハウス生活をスタート、1年後に独立。現在は、ファッション・ビューティからキャリアビジネスまで分野を問わず活動中。シェアハウス内のラウンジがおもな仕事場。趣味は服と読書。