『僕・私にはシェアハウスは無理』と豪語するあなたへ 前編

『僕・私にはシェアハウスは無理』と豪語するあなたへ 前編



「えー俺(私)絶対、シェアハウス無理だわー」

私が「シェアハウスに住んでいる」という話をすると、こういう反応が返ってくることがよくあります。

それも、サラッと流すのではなく、どこかちょっと気になる様子で。

(ちょっと悔しげだったり、対抗意識のようなものがあったり、アンチ的なニュアンスを感じるので、私としては「やっぱりちょっと羨ましさもあるのかな?」と思ったりします。こんな風に言うとその人たちには「そんなことないよっ」と即座に反論されそうですが。)

「無理」なのはきっと、生活の中でつねに他人と関わり合うなんて煩わしくてできない、ということなのでしょう。


シェアハウスと言えば、シェア文化・シェア精神が宿る場所。


普段、シェアハウス住人の私たちがシェアしている具体的なモノを挙げると……設備面で言うと、キッチン、ダイニング、ラウンジ、シアタールームなどの共有スペースや、食器、調理器具、テーブル、ソファのほかに、シャワールーム、トイレ、洗濯機、乾燥機などは基本ですね。

ほかにはうちの場合、備え付けの自転車とかもあって(住人64人に対して5台)、それをみんな「シェアチャリ」と呼んでます。

こういったものはあらかじめ運営会社から用意されたみんなの共有物なので、個人が権利として当然のように気兼ねなく使えますよね。


しかし、そういった外から与えられたもの以外の一人ひとりの自発的な行動面も、かなりシェア性を帯びているのです。

「これ食べる?」とか「それできないなら代わりにやってあげるよ」とか「知らないなら教えるよ」など、シェアハウス住人の私たちは結構、気前がいい行動を普段からしているのです。

じゃあ、そういったことを住む前もやってきた人だったのかと言うと……私に関して言えば、全然。です。

なぜかと言うと。

独りで自由にいられる時間を確保したいから。

「シェアハウス無理だわー」の人と同じです。

受け取ったり与えたり、といった行動を取ると何かとしがらみが生まれるんじゃないか……そんな風にブルブルと危惧して、「自分の分は自分でまかなう」が、気ままにマイペースにやっていきたい私の大前提であったように思います。

そんな人間がなぜシェアハウスに住んだ途端、シェア行動を取れるようになるのか?

それは、ある魔法がかかったからです。

次回は、その魔法についてお話ししたいと思います。

それを聞いてもらってから、シェアハウスが「絶対ムリ」なのかどうか、ご自身で判断してもらってもいいかな〜と思いますので、どうぞご一読を……。

svgこの記事を書いた人
奥 麻里奈

1982年8月3日生まれ、獅子座、O型。大阪府出身。都内のオフィス複合型シェアハウスに住む、フリーランスの三十路ライター。美容専門誌編集者としてまだ出版社に勤めていた2012年1月からシェアハウス生活をスタート、1年後に独立。現在は、ファッション・ビューティからキャリアビジネスまで分野を問わず活動中。シェアハウス内のラウンジがおもな仕事場。趣味は服と読書。