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入居者体験談

現役シェアハウス住人による、シェアハウス恋愛論。5

現役シェアハウス住人による、シェアハウス恋愛論。5


まだまだ続く、シェアハウス恋愛論。

前回は、サークルを辞めた途端、破局を迎えたという経験談を挟んでの、サークル内恋愛は、そのときその場の状況に左右されやすい種類の恋愛である、という論旨のお話でした。

ここで、カップル成立率が高いというシェアハウスの話にスライドすると、サークル内恋愛と似たような構造になっているのではないかな? ということなのです。

カップルが多いシェアハウスは、20代前半の女子が多いという話を聞きました。

ということは……、仕事のキャリアがまだそこまで積み上げられていない分、方向転換もしようと思えばできるくらいの人生のハンドリングの可動域が広い世代。

まだ自分の人生の方向性がそこまで固定されておらず、生活スタイルも確立していない人が多いと思います。

だからこそ、そのときその状況に、風まかせに軽やかに染まることができる。

相手と一緒に自分たちの生活スタイルをこれからつくっていけるということです。

サークル内恋愛やシェアハウス内恋愛が盛んな場合は、基本的にそういう構造なのだと思います。


それに対して、20代後半以上の世代が多いうちのシェアハウスは、ある程度キャリアも積み重なってきて、自分の仕事領域を持っており、おのおのそれに応じた生活スタイルが築かれてきている人が多い。

そうなると、人が新たに誰かの人生に関わり合うには、自分がすでに持っている世界と相手のそれとを調整するために、それなりの時間と労力を割いてすり合わせていかなければなりません。

それを払ってもいいくらいだと思えなければ、自分の世界の輪郭がはっきりしてきた人たちなかなか動かない。

だから、自分の生活スタイルを変えることなく、共有可能な範囲でお互いの時間をシェアし合えるシェアメイト止まりの関係がちょうど良く、そこに収まるのだと思います。


それが、恋愛に本腰を入れていない、恋愛モラトリアムの状態そのものだというわけですね。

……書いていて自分でも思ってきましたが、相手とがっぷり組み合う恋愛をしようと思うならば、自分の生活を革新することが必要なのですね。

今の生活スタイルを保持しようと思っているうちはできないのでしょう。


じゃあ、もう私たちはシェアメイトとは恋愛できないのか?

それに関して密かに予想していることがあります。

それは……シェアハウスを出たあとに、一緒になる人たちが結構出てくるのではないか? ということ。

もうここまで馴れ合ってしまっている間柄で、今さら? と思われるかもしれませんが。

だからこそ、離れたときに「お互いをよく知っている」という精神的なつながりの安定感と安心感が、結婚を真剣に考え出した者同士でお互いを引き寄せ合う、ということが起こるのではないかな? と今から睨んでいます。

まったくの私の想像なのですがね……実際のところどうなのか、未来の答え合わせを今から楽しみにしている現在です。





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svgこの記事を書いた人
奥 麻里奈

1982年8月3日生まれ、獅子座、O型。大阪府出身。都内のオフィス複合型シェアハウスに住む、フリーランスの三十路ライター。美容専門誌編集者としてまだ出版社に勤めていた2012年1月からシェアハウス生活をスタート、1年後に独立。現在は、ファッション・ビューティからキャリアビジネスまで分野を問わず活動中。シェアハウス内のラウンジがおもな仕事場。趣味は服と読書。