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入居者体験談

シェアハウス内に吹いている偶発的自己刷新の風 『衣』編

シェアハウス内に吹いている偶発的自己刷新の風 『衣』編

このコラムの打ち合わせの際、「たとえば……『物の貸し借り』について書いて欲しいですね」とこのサイトを運営している柴田さん(30歳・男)からオーダーが。

柴田さんは、友人とルームシェアをしていたとき、結婚式なんかのときにネクタイの貸し借りなんかをしていたそうなのですが。

たしかに、洋服の貸し借りとかって、シェアハウスでよく起こりそうなイメージがあるかもしれません。

でも、うちではあまりない気が……3人暮らしのルームシェアに比べて大所帯のシェアハウスの場合だとそこまで近い距離感ではないのかも。

外から見るとそこは案外ドライに見えるところかもしれません。


でも、あるとすれば、要らなくなった洋服の『持ってって!』フェア。自然発生的にちょくちょく起こります。

「ここに置いておくので、好きなものがあったらご自由に持っていって! いついつまでに余っていたものは処分します」というようなFacebookのグループ内投稿が、ポリ袋に入った洋服たちの画像とともにたまにアップされます。


私自身も断捨離した際に数回やったことがあって、もともと衣裳持ちなため50着以上は放出したかも?

でもこれが、気持ちいいくらいにみんな持って行ってくれる!!んですよ。たしか余ったのは3着くらいだった気が。かなりびっくりしました。

「ほんとにみんな貰って嬉しいのかな……『やっぱり要らない、邪魔』とか思われて裏で捨てられてるんじゃ……」とちょっと疑心暗鬼もありましたが、逆に、私がほかのシェアメイトの放出品を貰って行ったときに、分かりました。

これ、アガるわ!

クローゼットの中に新鮮な風が吹くんですよ。

古着ではないから変な匂いとかしないし(私は古着屋で売ってる服の匂いがどうしてもだめ)、でも新品じゃないから気兼ねなくどんどん着れる。

誰が着た服なのか分かっているっていうのも一つの安心材料。

それに、一番良いのは「自分じゃ買わない、けど着てみたらこれもいいね」的な冒険が手軽にできること。

「こんな黄緑色、持ってなかったな。冬に明るい色着ると気分も明るくなるなぁ」とか「このストローバッグ、ベーシックなデザインでけっこう使い回せる!」とか新たな発見に思いがけず出くわすきっかけになるんですよ。

これこそバタフライ・エフェクト。

お金をかけずにちょっとした自己刷新をする機会に恵まれているのも、シェアハウスに住んでるがゆえの役得だなぁと思います。

svgこの記事を書いた人
奥 麻里奈

1982年8月3日生まれ、獅子座、O型。大阪府出身。都内のオフィス複合型シェアハウスに住む、フリーランスの三十路ライター。美容専門誌編集者としてまだ出版社に勤めていた2012年1月からシェアハウス生活をスタート、1年後に独立。現在は、ファッション・ビューティからキャリアビジネスまで分野を問わず活動中。シェアハウス内のラウンジがおもな仕事場。趣味は服と読書。