シェアハウスで揉め事ってあるの?
Reviewed by 奥 麻里奈 on
2013-06-10
これ、もしかしたら一番よく聞かれる質問かもしれません。うちに関して言えば……実は、取り立ててありません。そりゃ、誰かが「あの人苦手だ」と思ってるとか、ちょっとこの間喧嘩っぽい感じになったとか、そういう程度のことはその都度あると思いますけど、シェアハウス内全体の問題になるほどのことではない。今までのことを思い返すと、オープンしたての頃に住人会議が行われ、喧々諤々の議論をしたらしく(「らしく」というのも、私はそのとき欠席したからです)、
これ、もしかしたら一番よく聞かれる質問かもしれません。
うちに関して言えば……実は、取り立ててありません。
そりゃ、誰かが「あの人苦手だ」と思ってるとか、ちょっとこの間喧嘩っぽい感じになったとか、そういう程度のことはその都度あると思いますけど、シェアハウス内全体の問題になるほどのことではない。
今までのことを思い返すと、オープンしたての頃に住人会議が行われ、喧々諤々の議論をしたらしく(「らしく」というのも、私はそのとき欠席したからです)、
「お客さんを4人以上招くときは、その日時と人数、キッチンを使うかどうかを記載してメーリングリストに流す」
「お客さんが滞在できるのは24時まで」
「共有スペースの冷蔵庫には自分のものは日付と名前を書いて入れること。保管は1日まで。名前がないものや、1日以上入れているものは誰かが食べたり処分したりしても文句は言えない」
「調理器具や食器を使ったら、洗って拭いて棚に片付けるまですべてすること。洗って置きっぱなしはNG」
などのルールが決まったことがあり、最初はけっこう厳しめに遵守しないといけない風潮がありましたが、現在は、守られたり守られなかったりしながら、住人同士の信頼関係によって揉めることなく、なんとなく・ゆる〜く成り立っている、といったところです。
ということは、シェアハウス生活、かなり順調ってこと。
幸せなお話です。
だけど、これと言った揉め事もなく、順調で幸せな生活を支えている要因となるものを、友人とルームシェア生活をしたことがある私は、決して見落としはしないのですね。
それは……週に6日、共有スペースやトイレ、シャワールームなどを掃除してくれている業者の人の存在です。
つまり、揉め事の原因となる“みんなで使う場所”のハウスキーピングは自分たちの手から解放されている、という条件の上で成り立っている幸せだということです。
私は20代半ば頃、友人と2人でルームシェアをしていたのですが、共有部分の扱い方についてお互い納得し合ってうまく活用できていたかというと、その逆でした。
家具はどこにどれを置くか、食べ物は一緒か別か、など些細なことも最初は決めごとをつくろうとしたりもしましたが……同性同士の意見の違いをすり合わせるのって、正直キツいものがある。
結局私は、自炊をせずキッチンを使わなかったり、お互い掃除をしなかったり、物が置かれっぱなしでも見過ごしたり……つまり、自分の中で『共有部分はできるだけ使わず放置!』という方針を取ることで、揉め事になるシーンをできるだけ避けて通ろうとしました。
その先にあったものは……一人暮らしへの回帰(笑)。
(一応言い添えておくと、彼女とは友達としての仲は今も続いています。)
だから、“みんなの場所”を第3者が管理してくれるシェアハウスというものは、最低限のルールさえ守れば、共同生活について回る厄介の素がもともと取り除かれた、種なしブドウのようなおいしい共同生活と言えるかもしれません。
そんな快適な生活をめいっぱい享受しつつも、「これはあくまでお膳立てされた共同生活。私たちが精神的に大人だからうまくいっているわけでは決してないのだ……!」と、嫁入り前の私は肝に命じることを忘れないのでした。
この記事を書いた人
奥 麻里奈
1982年8月3日生まれ、獅子座、O型。大阪府出身。都内のオフィス複合型シェアハウスに住む、フリーランスの三十路ライター。美容専門誌編集者としてまだ出版社に勤めていた2012年1月からシェアハウス生活をスタート、1年後に独立。現在は、ファッション・ビューティからキャリアビジネスまで分野を問わず活動中。シェアハウス内のラウンジがおもな仕事場。趣味は服と読書。
『奥 麻里奈ドットコム connecting 個性美の解放』 http://okumarina.com
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