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オーナー向けコラム

大手メーカーのいう一括借上システムの落とし穴

一括借上システムは、一見すると「大家さんのリスクゼロで毎月決まったお金がはいってくる便利なシステム」に見えますが、そんなうまい話が本当にあるのでしょうか?
契約する前に以下の項目を、よくよく見ていくと、そこにはいくつもの落とし穴があることがわかるはずです。


1. 契約期間

ここで10年、20年、30年と長期の契約をうたっていても、2の契約賃料のところに、「2年ごとに改定できる」とあれば、契約期間が長くても、ほとんど意味がありません。


2. 契約賃料

大抵は「2年ごとに改定できる」とあります。つまり、高い契約賃料は新築のときだけで、契約期間中ずっとそれが続くとは考えてはいけません。


3. 更新

一括借上を行うメーカーから契約更新を拒否できる、という内容になっていることもよくあります。契約解除に関しても、メーカー側の有利に設定されているのが通常です。


4. 免責期間

竣工してずぐに満室になるとは限りません。そのためメーカーは「当初○ヶ月は家賃が払われない」という旨の免責期間を設けています。その間に入居者が決まり、家賃が支払われてもオーナーには1円も入りません。


5. 原状回復費用

入居者の入れ替わりのときに行われる現状回復工事については、すべて大家が負担するのが一般的です。


このように、実際には大家さにとって不利益な内容が、たくさん含まれています。
何千万円も借金をするのに、契約書をじっくり読み込むことをせず、あとで「こんなはずじゃなかった」と後悔する人が多いことに、私はいつも驚かされます。

不動産投資で成功したければ、自分が支払うお金が誰の懐に入るのか、もっと敏感にならなければなりません。
営業マンをたくさん抱えているようなメーカーのアパート・マンションは、一体誰のために建てているのでしょうか?あなたのためでも、入居者のためのものでもありません。自分たちのためです。それが彼らの仕事なのです。

この記事を書いた人

1959年、世田谷で工務店経営者の次男として生まれる。 世田谷にて珈琲専門店を経営していたが、株式投資の信用取引に手を出しバブル崩壊 と共に人生も崩壊。 夜逃げ、離婚、自己破産を経てタクシー運転手になり、その後土地の相続を受け 本格的にアパート経営に乗り出す。 世田谷、目黒などのブランド立地に駅から徒歩5分以内にこだわり新感覚アパートを 提唱し、土地2建物1の黄金比にて10年前後で回数し、ゆとりのある資産運営できる アパート経営実践会「10年後に笑大家の会」を主宰している。 自身も世田谷、目黒を中心とした60室の大家である。

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