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路線価マジックとは一体何か?

路線価、それは、銀行の評価と大きな関係があります。よほどのおお金持ちではない限り、アパート・マンションを購入、建築するときは、メガバンクや地銀、信用金庫などの金融機関から融資を受けるのが普通です。
金融機関のアパートローンでは、その不動産を担保にとって、融資が実行されます。その融資の際に、金融機関が土地の評価の参考にするのが、「相続税路線価」です。

なぜ、公示価格や実勢価格ではなく、相続税路線価を使用しているのかというと、公示価格は「全国どこでも」ではなく、限られた木重点しか評価されていないからです。つまり、購入する予定の土地の公示価格がない場合も多いのです。
また、実勢価格は日々値動きするもので、これを金融機関が審査の際に正しく把握するのは簡単ではありません。 対して、相続税路線価は、「すべての土地の価格」がわかる「公的な機関による資料」ですから、金融機関から見ると非常に使いやすいのです。

投資家が注目しなければならないのは、場所によっては実勢価格が二束三文の土地に、高い路線価がついていることがある点です。そのため、「売りに出しても誰もかわないであろう土地」に、多大なる融資が付いてしまうこともあるのです。

言うまでもなく、融資がつくことが、投資の成功に直結するわけではありません。融資が付いたからと言って、本当に収益性が保てる土地なのか、健全な賃貸経営が何十年にもわたって行われる土地なのか、が保証されいるわけではないのです。
これが路線価マジックの正体です。


私は今、自分の地元である世田谷区の不動産業者さんと頻繁に土地情報のやりとりをしていますが、「この土地は路線価より高い、安い」などという話を聞いたことがありません。やはり、土地の価格で重要なのは、「実勢価格」でしょう。また、数字には反映できない「その土地が持つ本当の価値」を推し量るセンスも、投資家には求められると思います。
魅力ある地域性、そこにしかない文化といったものは、数値には換算できない高い価値があります。

この記事を書いた人

1959年、世田谷で工務店経営者の次男として生まれる。 世田谷にて珈琲専門店を経営していたが、株式投資の信用取引に手を出しバブル崩壊 と共に人生も崩壊。 夜逃げ、離婚、自己破産を経てタクシー運転手になり、その後土地の相続を受け 本格的にアパート経営に乗り出す。 世田谷、目黒などのブランド立地に駅から徒歩5分以内にこだわり新感覚アパートを 提唱し、土地2建物1の黄金比にて10年前後で回数し、ゆとりのある資産運営できる アパート経営実践会「10年後に笑大家の会」を主宰している。 自身も世田谷、目黒を中心とした60室の大家である。

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