COLUMN

オーナー向けコラム

シェアハウスはどんな人たちが利用しているのか? その2 晩婚と未婚化「成熟したシングルたち」の新しいライフスタイル

新モテる男性の条件「三平(さんぺい)」に「四低(よんてい)」をご存じでしょうか?
三平とは、「平均的な年収」「平凡な外見」「平穏な性格」
四低とは、「女性に威張らない(低姿勢)」「家事を女性に頼らない(低依存)」「リストラされない(低リスク)」「節約できる男(低燃費)」
女性が結婚相手に望む条件として話題となっています。
25歳を過ぎた未婚女性が「クリスマスケーキ」と揶揄されていた頃、彼女たちが結婚相手に望む条件だった「三高」(高身長、高学歴、高収入)は、バブル時代の死語となりました。2013年現在、30代の独身はめずらしくない存在となり、未婚化・晩婚化の進行はますます上昇し続けています。 コラム『シェアハウスはどんな人たちが入居しているのか?』でも少し触れましたが、シェアハウスを利用している世代は、30~40代層が3年間で8%拡大しています。(シェア住居統計データ2013年調べ)

中でもアラサーと呼ばれる30代層は、男性の5人に1人、女性の10人に1人は生涯未婚という時代となり、総務省国勢調査2010年によると、男性の生涯未婚率は30年前の約10倍となり20.1%。女性も10.6%と2倍になっています。

「いずれは結婚したい」と未婚男性の86.3%、女性の89.4%が回答しているにもかかわらず晩婚化は進む一方です。
(国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」2011年調べ。)



成熟したシングルたちの新しいライフスタイル

未婚理由について、ニッセイ基礎研究所の2012年データによると男女ともに「結婚相手がいない」と「自由を楽しみたい」という消極的と積極的な理由が二極化していましたが、中でも注目したいのは、自由を楽しみたいと回答した女性の「仕事に打ちこみたい」という理由の増加です。 厳しいデフレ環境で育ったアラサー世代の彼女たちが結婚に経済的な安定を望むことはあまり現実的ではないと考え、結婚の理想と現実をクールに見つめるアラサー世代にとって「仕事に打ちこみたい」=「経済の自立」しいては、「自身の力で自由を楽しみたい」とリンクして「物や人に縛られない生活」を望むことは自然な流れになってきています。

勿論、経済面の厳しさでシェアハウスを選択する人もいますが、「自由を楽しみたい」という、収入も安定したシングル達が「新しいライフスタイル」を求めてシェア生活を選択しています。

「新しいライフスタイル」を求める理由のその裏には、3.11以降、リアルに体験した災害時に一人でいる不安や、病気になったときの心細さ、会社と家を往復するだけのルーティン化した生活の中で「社会人という孤独」を切実に味わっているシングル達が、SNSでは得られない他人とのリアルな繋がりや安心感を求めて賃貸住居を解約し、シェアハウスへ移るケースが多く見受けられます。

また、シェア生活をすることで得られるものは、広いリビングやキッチンだけではありません。
共同生活とは「三人寄れば文殊の知恵」
具体的に例えると、将来起業を目指す方や独立準備をしているシェフが新メニューの開発をした場合、ハウスメイトたちにリアルモニターになってもらうなどの他、経験者からの知識や情報の共有がすぐにできることも、一人暮らしでは得られない醍醐味となっています。友達以上、家族未満の関係づくりを求めて色々なシェアハウスを定期的に移動する方もめずらしくなくなってきました。 こういったメリットも踏まえ「いずれは結婚するつもり」だからこそ、シングルの今しか体験できないシェア生活が口コミで広がり「新しいライフスタイル」として30代利用者の増加につながっているのです。

私が感じるシェアハウスを選択する条件については、「共存(独自性を守る住み分け)」「共済(相互に助け合う)」「共有(一つの物を共同で持つ)」という意味で「三共(さんきょう)」と表現できるのかもしれません。

次回は、シェアハウスのオーナーになる方法について、お話ししたいと思います。

この記事を書いた人

シェアハウスの企画から運営・管理までを一元して行い、 現在145部屋を運営。案内実績は一年間で約430件。 親しみやすいキャラも好評で利用者からの信頼が厚くリピーターも多い。 『 所有しない価値観 』を持つ世代に向け、物に縛られない新しいライフスタイルを提案し続けている。

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